TOBA-BLOG

TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「約束の夜」220

2020年06月12日 | 物語「約束の夜」
「今の、は・・・」

京子は顔を上げる。

ここは、北一族の
裏一族の、砦。

みんなが、いる。
先ほどと同じ。

けれども、何かが起きた。
チドリが杖を振りかざした瞬間。
魔法。

ものの数分だったのだろう。

けれども、

長い長い夢を見ていたような。

「・・・っ」

京子は頭を押さえる。
満樹も、ツイナも、ヨシノも、・・・みんな。

「夢? 過去の話? それとも、作り話、・・・かしら」

マサシが目の前を見る。

目の前に立つ、チドリと耀。

チドリは息を吐く。

「魔法だ」

先ほども、そう云っただろう、と。

「そして、夢でも作り話でもない」
「・・・・・・」
「現実に起きた、過去の話だ」

「・・・ここにいるみんなが」

京子は呟く。

「本当に、・・・私と同じ父親」

兄の耀を見る。

「だから、みんな、手の平にあざがあって・・・」

「さあ、立て」

チドリは杖を鳴らす。

「次に進むぞ」

チドリと耀は歩き出すが、他は顔を見合わせる。

逃げられるとは思わないが
わかりましたと、付いて行くべきなのか。

「ほら早く!」

「仕方ない」
「でも、マサシ!」
「私たちはきょうだい。きっと、すぐに悪いようにはされないわ」
「命差し出せ感、めっちゃ出てますけど!!」
「だから、すぐにはって云ってるでしょ」

このまま、生きて帰ることはないかもしれない。
でも、すぐに殺されるとも、考えにくい。

「何度も云うけれど、待つのよ」
マサシは呟く。
「隙を見て、ってことだな」
「そうよ、満樹」
「うう、不安しかない・・・」
「そうね」

マサシは頷く。

「私たちバラバラにされたら」
「バラバラっ!?」
「いや、解体の方じゃなくて」

満樹は京子をなだめる。

「こんな場所でひとりになると、な」
「ええ」
「バラバラにされませんように・・・」

皆、チドリと耀に続く。

先ほどの場所から、長い、廊下。

「そもそも、私たちを集めて、」
「何をする気なのか・・・」
「血が必要って?」

血のつながった、このきょうだい。
命を奪って、何が出来るのか。
何が起こると云うのか。

「そこが気になるだろう」

察したように、耀が云う。

「俺たちは、具体的に何をするのか」

「ここだ」

チドリが、一つの部屋の前で立ち止まる。





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夏前TOBA:11

2020年06月05日 | イラスト

父親イラストと云うことで、安樹さん





満樹くん父!
占術師で多忙な、安樹さん。

他に誰か、父親~と、思ったけど
思いつかなかったので

ヨシノちゃん&ユキノさん!!





こんなノリ!!

イラスト
ばしょちへ続く~(^^)