北一族の村行きの馬車で
スイカを食べ、
季節イベントをクリアした京子。
西一族メンバーズとも分かれ、
数日を北一族の村で過ごし、
「…………」
今日は、約束の日!!
「…………お茶飲みすぎて
お腹たぽたぽ」
満樹、ツイナと
再び会おうと、約束したその日!!
「…………」
その日の、夕方!!!
待ち合わせ場所が見渡せるカフェにて
もう何杯目か分からないお茶をすする。
「2人とも来ないのだけど!!」
同じ店で長く時間を潰すの
結構つらい。
「今日よね?約束!!」
2人が一日遅れる事になるとは
知らない京子はめっちゃ焦る。
「お客様」
「………はいぃい」
「申し訳ありません、閉店の時間です」
「ですよね」
おずおずと立ち上がる京子に
店員さんがケーキを持たせてくれる。
「お嬢さんをこんなに待たせるなんて
碌な男じゃ無いよ。
きれいさっぱり忘れてしまいなさい!!!」
おまけに、何だか誤解を受けている。
「とりあえず宿に戻って
頭を整理しよう」
ううう。と唸る京子。
「………待ち合わせに来ない場合は、
居る人だけで動く」
山一族の村で分かれるとき
満樹が京子に言ってくれた。
任務で動いているわけでも
特別な訓練を受けているわけでもない
京子の事を気遣って言ってくれたのだろうが。
「まさかの、
私、1人パターン!!!」
いやいやいや。
「無理でしょ!!
いや、私も戦力になりたいし
裏一族の事は知りたいけど」
これはちょっと予想外。
自分ひとりでは非力だと言うことは
もちろん分かっている。
「えええ?どうするのだっけ?
仲間ってどこで集めるの?
酒場?????教会の人????」
ちょっと、
迷走中な京子。
足取りも自然と重くなる。
「お腹空いたなぁ。
みんなで食べようってお店も決めてたのに」
ふぅ、とため息をついた瞬間。
「え?」
ぐるり、と視界が回る。
ずでーーーん、と
顔から思いっきり地面に転がる。
「痛ぁあああい!!
鼻打った!!」
ひりひりと擦りむいた痛みに耐えながら
なんとか起き上がる。
なんだろう、この懐かしい感じ。
そう、満樹と出会ったときにも
同じ事が。
「同じ、………んん?」
なんだが身軽になった感覚。
辺りを見回すと、
京子のバッグを持って走っていく人影。
「またかーーーーーー!!!」
慌てて立ち上がる。
「ちょっと
盗人!!どろぼう!!
待ちなさいよ、こら!!!」
旅費に関しては全てバックの中、
そして、同行者も現在不在。
手ぶらになっては村にも帰れない。
「待っ」
「おい」
走り出そうとする京子を、誰かが制止する。
「勢いで追いかけるな」
満樹?
来てくれたのだろうか、と振り返るが
その誰かは杖を取り出す。
「 」
西一族の京子にはよく分からないが
彼が言葉を重ねる毎に
うっすらと、杖に光が集まる。
ツイナの先視の時の様に
瞳の色が僅かに変わって見える。
「 !!」
次の瞬間、盗人の足元が膨らみ
地面が僅かにはじける。
「うわあああ」
彼は倒れた盗人に近寄ると
京子の荷物を取り上げ
戻ってくる。
「ほら、君のだろ。
大丈夫?」
「あ、りがと」
一瞬、満樹かと思った。
京子は首を振り、荷物を受け取る。
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