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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「続・夢幻章伝」94

2022年01月21日 | 物語「続・夢幻章伝」
やいのやいの、と、明日の計画を立てている4人をよそに、
タツキの父は帰宅後の荷物片付け、身支度、手洗いうがい

「あら? ここ汚れているじゃない」

タツキ母は、タツキ父の裾を指さす。

「ああ、とにかく転ぶしかなかったんだ」

ほわんほわんほわん・・・

タツキの父の頭に浮かぶのは

「出汁がきいた料理はうまい!」

その瞬間、タツキ父は家の前で転んだ。
そして汚れた。
それだけである。

「大切なものは、目に見えない、のか」
「そういうことじゃないと思うわよ」

出汁が1番おいしくなってる?鍋料理をすすりながら
タツキ父は、これいつまで続くんだろう、と考える。

「とにかく明日は、コロイドの消息キコ!」

へび呼は立ち上がる。

「ついに足まで生えたのね!」
「おめでとう!!」
「蛇足と云う!!」

「えぇい! ちゃんと話を聞くキコ!」

みんな冷静に聞いてほしい。
コロイドがいないことがどれだけ大変なことか。

「知ってるわよ」
「まあ、金銭的にだな、特に」
「そしてオイラは歩行困難キコ」
「足が生えたじゃないか」

「黙るキコ!!」

本気モードへび呼。

「同僚はおろか、コロイドまで悪に染まることがどれだけ大変なことかキコ!」

「そんなに大変なことが!?」
「コロイドってそんなにキーパーソンだったの!?」

「そうキコ。みんな聞くキコ」

ごくり。

「実は、なんだけどキコ……」
「うんうん?」
「コロイドの中には……、」
「中には!?」
「キーパーソンキーが埋め込まれているキコぉ!!」

「「キーパーソンキー!!?」」

それは、なんぞや

「それで開けられない扉はないという•••キコ」

「そんなに!」
「かなりのキーパーソンじゃないか」

ふたりは、あわあわする。

「それを悪の何かに奪われてご覧!! 大変キコ!!」

「何でも開けられるって、つまりは泥棒だけどな」

タツキは花火を取り出す。

「えっ、何それ?」
「花火」
「花火!!?」

タツキは照れくさそうに頭をかく。

「ほら、親戚が集まったら、子ども同士で花火とかやるじゃん?」

「まさかの!」
「今、それ!? それキコ!?」
「夏じゃないし」

「いや、お墓でとかな」

「お盆だよ!」
「一部の地域の慣わしだよ!!」

「でも、やるだろ、兄さんたち」

「やる、な!!」
「くっ、線香花火最後まて(略)の意地を見せてあげるわ!」
「ぇえええ!? キコ!」

「まあ、明日こそ、村を回って情報収集でも使用じゃないか」

うんうん、と、タツキは頷く。

「じゃ、何もかも忘れて、花火やろうじゃないか!」

「「「おー!!!」」キコ」

いいのか、それで。



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