TOBA-BLOG

TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「約束の夜」140

2019年04月05日 | 物語「約束の夜」


さて

砂先生だか砂のお兄さんだか

名まえを聞くのを忘れてしまったけれど

その人と別れてから、数時間。

ツイナとヨシノは

まだ、

砂一族の村の入り口だった!!

「え~」
「だってねぇ」

ちょいとしり込み?

「俺、少年じゃないもん」
「・・・・・・??」
「俺、青年だもん」
「平成だもん?」
「いや、青年・・・」
「整形!?」

その聞き間違いは、だいぶだぞ、ヨシノ!!

「まあ、確かに、平成も終わりよ」
ヨシノが云う。
「その「平成最後の」って、フレーズで、整形に臨もうと云うの!?」
「いや、ヨシノ、」
「私、ツイナを応援するわ!」
「ちがっ、違うよ、ヨシノぉお!!」
「えっ、違うの、ツイナ!?」

ヨシノは慌てるし、
そもそも、だいぶ違うし。

「違うの!? ごめんなさいね、ツイナ!」
「いや、うん。俺も発音が悪かったかな!?」
「そんなことないわ!」

ヨシノは、ヨシノなりのフォローをいれる。

「ほら、春ってちょっと気分が高揚すると云うか!」
「高揚っ!!?」
「その高揚で、不思議な世界に行っちゃうと云うか!」
「不思議な世界・・・」
「春は、宇宙人を見たって問い合わせも増えるらしいしねぇ」
「まさかの・・・」

「きっと私も高揚しちゃって、聞き間違ったんだわ、平成最後の整形!」
「ヨシノぉおおお」

ヨシノ憧れの聖地。
砂一族の地にて。

「許してくれる? ツイナ??」

この近さで。

「ヨシノぉ」
「ツイナ!」

近いっ!!

「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」

「「誰っ!!?」」

「いやぁ、他一族さん、こんなところで何やっているの?」

もうひとり、大接近。

「はぁあ! あなた、砂一族ね!?」
「いや、ここ。砂一族だし」

突然現れた、砂一族の子。
見た目、ツイナと同じか、もう少し下か。

「よかったぁ!」

ヨシノは、少年を抱き込む。

「ぎゃぁあああああ!?」
「よかったわ、本当に!!」
「ぎゃあ! ぎゃぁああ!! 放してっ!!」
「私たち、砂一族の村に来たものの、砂に知り合いとかいなくって!」
「そうそう。立ち往生中」
「じゃあ、ここまで、いったいどうやって来たの!!?」
「それは、ね。ツイナ」
「砂のお兄さんだよ」
「誰、砂のお兄さん、誰!!」

やっと解放される少年。

「はああ。はぁああ。なんてこったい」
「うふふ。これで私たち知り合いね」
「ヨシノぉ!」

ヨシノの知り合い基準って一体。

「俺は、海一族のツイナ」
「私は山一族のヨシノよ」

「ああ、そう」

砂一族の少年は、なかなか、ヨシノの抱きしめから回復できない。

「なんか、整形とか聞こえたから来たら、こんな目に・・・」
「ふふ」
「まあまあ。少年よ」

ツイナが云う。

「とりあえず、砂一族の村を案内してもらってもいいかな?」
「砂の整形って、薬品かけて、だいぶ変形するけど」
「「整形はいいから!!」」

「違うの!?」

うーむ、と、砂の少年が考え、提案。

「そしたらどうだ!」

「何?」

「近しいところで、砂名物、理容に案内したげるぜ☆」

「「理容!!?」」

砂名物って、どゆこと。



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