TOBA-BLOG

TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「約束の夜」142

2019年04月12日 | 物語「約束の夜」


「とりあえずは、落ち着いて聞いてほしい」

 

ツイナは云う。

 

「俺たち、理容院に来たわけではない」

「ええ」

「髪を切りに来たわけではない」

「ええ。私は砂先生の、」

「先ほども!!申した通り!! ちょっとさらわれた人を!!」

 

ヨシノのいつもの調子を防ごうと、ツイナの口調がでかい。

 

ノギとケヤは首を傾げる。

 

「ちょっとさらわれるって、どう云うこと?」

「やって返されるってこと??」

「わは、女限定だよ!」

「はっは~!!」

 

砂一族。昼間からすごい。

 

「ははっ。とりあえずは、落ち着いてお茶でも飲まないか」

 

まあまあ、と、ケヤはお茶を運んでくる。

理容院のお客スペースに、4人は坐る。

 

「はあ、よかった。この砂漠の中、喉が渇いていて」

「本当よね、ツイナ」

 

ツイナとヨシノは、ありがたくお茶を受け取る。

 

ノギとケヤは、お茶を飲む。

 

「あら、おいしい」

 

ヨシノもお茶を飲む。

 

「ずいぶん薄めなのねぇ」

「水出しだから、抽出されてないんだよ」

「暑いのに、熱いのもなぁ」

 

「とりあえずは、飲んでも大丈夫??」

 

もはや飲んでいるツイナに、ヨシノが云う。

 

「これ、毒だけど」

 

「ぶ、ぶっふぅううううー!!」

 

衝撃の、逆流。

 

「わぁお、兄さん!」

「だから、薄めだって!」

「死ぬほどの毒じゃないんだけど」

「ちょっと興奮作用が出るくらいよ?」

「姉さん判るねぇ」

「こっちポジだね」

「コ●でしょ?」

「そう、コ●」

 

「何それ、何それ、コ●って!!」

 

ツイナは、洗面台借りて、めっちゃうがいした。

 

「何って、」

「ねえ?」

 

3人は顔を見合わせる。

 

「某飲料の、●カよ」

「なんてこったい!!?」

「いや、今は入ってないけど」

 

ねぇ~、と云いながら、3人はお茶を飲む。

 

「まあ、しかし。薄いな」

「抽出時間も短かったんだって!」

「長くやりすぎると、法律に触れるわ」

 

いや、すでに触れています。

砂一族でも砂一族以外でも、真似してはいけません。

 

「砂一族のおもてなし、受け取ったわ~」

 

ツイナは、もう一度、めっちゃうがいした。

 

「じゃあ、話を戻すけど」

 

改めて、ツイナは咳払いをする。

 

「最近、この村で急にいなくなった人とかいる?」

 

「それは、」

「どうなのかな~??」

「うち、人数は少ないけど、」

「いたり、」

「いなくなったり」

「ラジパンダリ、」

「・・・芸人?」

 

把握していないのか。

 

「砂一族の村をまわって、情報収集するかぁ」

「そうするしかないわよね」

 

「気を付けろよ~」

 

ノギが云う。

 

「俺たち、他一族大好きだから。なあ」

 

うんうん、と、ケヤが頷く。

 

「ひとりで村をあるこうもんなら、みんなに抱きしめられちゃうぞ」

「こっちにおいで~、ってな」

 

ごくり。

 

「それは、」

「獲物的な・・・」

 

砂一族怖い。

 

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「ドキドキするわぁ」

 

うふふと、ヨシノ。

 

「俺もドキドキするわぁ」

 

本当に、ツイナ。

 

「新元号発表ばりに!!」

 

新元号は「令和」!!(201941日執筆)

 

 

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