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TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「夢幻章伝」31

2015年05月15日 | 物語「夢幻章伝」

「お、」
「おいぃいい!?」

同僚(分子)たちをまとったまま、アヅチは扉を叩く。

「お前、ちょっ、開けろや!!」
「うちの水を大量に使われて、困るわ~」
「誤解だろ!」
「きれいなお水がないと、お薬作れないよ~」
「お前!!」
「世のため人のため、お薬を作ってる砂一族なのに~」
「話聞けよ!」

アヅチは、がしゃがしゃと扉を揺する。
一方
フワはにこにこと手を振る。

「こうなったら!」

あ。こんなところで、アヅチの活躍か??

「――せよ、い――、の、~~なる」

アヅチ、早口呪文中。

(呪文は、都合により、ぼんやり表記です)

「あら? 何、魔法?」

「それ!! 部屋ごと吹っ飛べぇええええ!!」



どどど

どどどどどーーーーーん!!

爆風!!!



どどど

どどどどどーーーーーん!!

――だが

――――しかし

部屋、無事!

無事じゃないのは、部屋の中にいる3人だった。

「・・・アヅチぃ」
「・・・あんたね」

3人は、噴煙で真っ黒になり
よくあるコントみたいに、髪の毛ボーン、だった。





「ばかね~」

隠れていたフワが、再度、窓から顔を出す。

「ここは、あの東一族専用のお部屋(牢)よ」
手をパタパタ振り、フワは煙を払う。
「そう簡単に壊れないし♪」

「げほげほっ」
「ちょっ、すごい煙っ」

「自業自得!」
「お前っ!!」
「まあ、待ってなさいよ」

フワはニコニコする。

「もうすぐお昼だから、ランチを差し入れしたげる♪」

じゃあね~

と、フワは姿を消す。

「・・・行っちゃった」

へび呼ロイドは、ふたりを見る。

「ふたりとも大丈夫!?」
「大丈夫なもんか!」
「それは、アヅチがむやみに魔法を使うからぁ」
「なんだってぇ!」

「・・・まあ、冷静に考えなさいよ」

見ると、髪の毛ボーンのマツバは部屋(牢)の隅に腰かけている。

「まず、・・・」

マツバは、きっと目を細め、

「あんたら並べ!!」

その瞬間
アヅチの周りにいた分子たちは、さっと整列する。

マツバの・・・尋問がはじまる!

「あんたら、ここの水飲んだの?」

ぴ、ぴぎゃあ・・・
(訳:はい、飲みました。)

「同僚たちよー!!」
へび呼ロイドは、涙でキコキコする。

「なんで、飲んだの!!」

ぴぎゃぴぎゃぴぎゃあぁああ
(訳:なぜなら、砂漠は日差しが強く、喉が渇くからです。)

「我慢しろよ!!」

ぴぎゃっぴぴぴぎゃっ
(訳:我慢が出来るだろうか、いや、出来ない。)

「お前らなぁ! 人のもの勝手にとっちゃダメだろ!?」
「アヅチ!」
マツバが一喝する。
「恩人たちにクレームを出さない!!」
「おっ、!!?」
「今、こいつらを責めていいのは、私だけよ!!」
「・・・マツバ」
「様・・・」

いやいや!

と、アヅチはツッコむ!

「そもそも、なぜ、俺がこんな目に!」
「なぜですって?」
マツバはさらに目を細める。
「夢幻章伝25をご覧なさい!」

出番のためだったのか
それとも
目立ちたかったのか

東一族の少年たちの作業の中

畑の中心に立ってしまい

結局は、邪魔をすることになり

一緒に一掃された、

「俺・・・」

「でしょ!?」

マツバは立ち上がる。

「そもそも原因はあんたよ!!」

以上、GW明けの回想も含んでみました。



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