浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

フランツ・クロンマーのクラリネット協奏曲

2008年07月08日 | 忘れられた作品作曲家
友人Yの子息は今、巴里音楽院でクラリネットのお勉強中である。そんな関係で僕も子息の活躍を願っていろいろとクラリネット作品を聴くやうになった。意外とモーツァルト時代に多くの作家によってクラリネット作品が生み出されてゐたことを知った。今日のクロンマーもその一人だ。

クロンマーは独逸名で、母国ボヘミアではフランティシェク・クラマーシュと言ふそうだ。モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトの時代を生き抜いた作家で、誰に似てゐるかとあえて言ふならハイドンだらうか。しかし、終楽章の付点リズムの愛らしいメロディを聴けばクロンマーの独自の世界を感じ取ることができて、きっとこの作家のことが頭から離れなくなるだらう。クロンマーの協奏曲は古典派らしい単純明快な展開だが、美しく親しみ易い楽想が次々に泉のやうに湧いて出てくるのが特徴的だ。

Yの子息にも是非、この協奏曲を引っさげて再び大フィルの舞台に立ってほしいものだ。さっそくこのCDをY宅に送ることにしやうと思ふ。

盤は、英國Olympiaによるデジタル録音CD OCD418。


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