浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

チャールズ・アイヴスの交響曲第2番

2007年01月22日 | 忘れられた作品作曲家
米国の歴史は浅い。日本が江戸に幕府を置いてゐた頃にできた国だ。だから、お国自慢の作曲家と言へばフォスターくらいしか出てこない。そんな米国に、音楽を創る保険会社のサラリーマンが居た。

売れない作曲家チャールズ・アイヴスは発表する機会もないのに交響曲を四つも作った変わり者だと思ってゐたが、曲をいくつか聴いて更にそう思ふやうになった。雑多なものが混入した構成はいかにもアメリカ的な印象を受ける。意味のある展開や主題の有機的なつながりなどを期待して聴くも、できの悪い僕の脳みそでは殆ど理解できない。

作曲されてから半世紀経った1951年にレナード・バーンスタインが発掘し初演したこの交響曲は、1958年、初演者によってレコヲド録音もされた。僕が初めてこの曲を知ったのは、確かオーマンディの指揮だったと思ふが、バーンスタインの演奏はいたるところで粗野な印象を受ける。速度については、作者自身が異常な速さを指示してゐて、元々、粗野で乱暴な演奏を期待して作られた曲なのかも知れない。

アメリカ的なものを求める向きにはこういった曲がぴったりとくるのだらう。僕はこの作品に芸術的な香りを求めようとは思はない。しかし、時々、なにかの拍子に聞きたくなるのはなぜだらう。終楽章には有名なアメリカ愛国歌が登場するが、出そうで出ないこの旋律がコーダで堂々と演奏されると、つい、顔がにやけてしまふのだ。ヤンキーの音楽にはかなわないなぁ、と思ってゐると、あの不協和音の一撃を食らって撃沈される。

盤は、米国CBSのCD  MK42407。


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1 コメント

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音楽の歴史について (音楽芸術)
2007-06-04 11:07:44
19,20世紀のアメリカの音楽の特徴についてアイヴスに言及しながら2500字程度で述べよという宿題が出たのですが、まったくできずどうしていいかわからないです。もしよろしければ19,20世紀のアメリカの音楽の特徴についておしえていただけませんか??
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