たかしの啄木歌碑礼賛(続)

啄木歌碑およびぶらぶら旅

啄木「別れの歌」

2020年03月07日 | 啄木歌碑

啄木は渋民小学校の代用教員だった時代に、卒業する6年生の送別会の際「別れの歌」を作詞しております。先日、渋民図書館に行った時この歌が、額に入れて二階の壁にかざっていました。撮影禁止なので、石川啄木全集を参考にしました。

 

「別れ」

     渋民小学校卒業式に歌へる。

     譜「荒城の月」に同じ。 とあります。

 

一 心は高し岩手山

  思ひは長し北上や

  ここ渋民の学舎

  むつびし年の重りて

ニ 梅こそ咲かね、風かほる

  弥生二十日の春の昼

  若き心の歌ごゑに

  わかれのむしろ興たけぬ

三 ああわが友よ、いざさらば

  希望の海に帆をあげよ、

  思ひはつきぬ今日の日の

  つどひを永久の思出に

 

なお、渋民小学校の校歌も啄木の作詞です。玄関脇に校歌の碑が建っています。

 

 

渋民小学校の校歌

一  春まだ浅く 月若き
  生命の森 夜の香に
  あくがれ出でて 我が魂の
  夢むともなく 夢むれば
  さ霧の彼方 そのかみの
  希望は遠く たゆたいぬ 

ニ  そびゆる山は 英傑の
  跡を弔ふ 墓標
  音なき河は 千歳に
  香る名をこそ 流すらむ
  此処は何処と 我問えば
  汝が故郷と 月答ふ 

三 雪をいただく 岩手山
  名さえやさしき 姫神の
  山の間を 流れゆく
  千古の水の 北上に
  心を洗い 身を清め
  学の道に 進めかし