温故知新~温新知故?

音楽ネタが多いだろうけど、ネタのキーワードは、古きを訪ねて新しきを知ると同時に新しきを訪ねて古きを知るも!!

なぜ、おかしの名前はパピプペポが多いのか? 読了 〜お菓子の名前にパピプペポが多いのは、論理的、科学的理由がある?。音声学、言語学は面白い〜

2023-09-24 17:04:49 | 
この本は、多分朝日新聞の書評で面白そうと思ったんだと思う。以下のように小学生で読めるような平易な内容で「言語学」、「音声学」を紹介しようという本だ。だから以下の目次も授業形式で、朝礼から1時間目、2時間目、、というように表されていて、授業の対話形式となっているので、非常に読みやすい。
言語の本質に迫る、小学生からの素朴な疑問の数々。
授業をのぞくような感覚で読むうちに、ことばの旅は始まっている!
小学生からの質問に、言語学者が本気で答えます!

Q.パピコ、ポッキー、アポロ、チョコパイ…etc
  お菓子の名前にパピプペポが多いのはなんで?
Q.日本語には「゛」「゜」が付く文字と付かない文字があるのはなんで?
Q.「にぴき」「ごぴき」はなんで間違いなの?
Q.日本は「にほん」と呼べばいいの? 「にっぽん」と呼べばいいの?
Q.ポケモンのピィとグラードン、なんでグラードンのほうが強そうなの?
Q.岩手のおじいちゃんのしゃべり方が違うのはなんで?

著者が実際に小学校でおこなった特別授業を書籍化!
小学生の純粋かつクリティカルな疑問に答えるうちに、メディアも注目する新進気鋭の言語学者に新たな発見が。< 言語学をもっと身近に、もっとわかりやすく!

\俵万智さん推薦/
ただでさえ⾯⽩い川原先⽣のお話が、さらに分かりやすく刺激的になっている。
⼩学⽣はもちろん、かつて⼩学⽣だった⼤⼈にも薦めたい。
目次
はじめまして、言語学者です
朝礼:ことばはおもしろい
1時間目:濁点「゛」のなぞ
2時間目:「ぱぴぷぺぽ」にまつわるエトセトラ
3時間目:子どもの言い間違いを愛でる
昼休み:「わかった?」って聞いちゃダメ
4時間目:プリキュアに似合う音
5時間目:ポケモンの進化は名前でわかる
6時間目:原始人のしゃべり方
7時間目:世界と日本の多様なことば
放課後:まだまだ質問に答える
スペシャル対談:橋爪大三郎×川原繁人 ~社会学者と言語学者が考える「学び」とは~
下に朝日新聞のこの本の紹介を載せる。
「なぜ、おかしの名前はパピプペポが多いのか?」 [著]川原繁人
 音声学や言語学は「人間のことをより深く知ろう」という学問であると説く著者が、小学校で行った特別授業を土台に「ことば」の不思議とその楽しさを綴(つづ)る。
 タイトルの謎に言及される章では、濁点(゛)がつく文字は多いのに、半濁点(゜)がつくのは、なぜ「ぱぴぷぺぽ」だけなのか、という評者は考えたことさえなかった疑問に始まり、日本を「にほん」「にっぽん」とは呼ぶけれど、「にっほん」と呼ばないのはなんでだろう、と考えを促す。
 ポケモンの「ピィ」と「グラードン」では、なぜグラードンのほうが強そうなのか。原始人はどうやってしゃべっていたの? どうして授業をしてくれる人のことを「先生」というの?
 子供たちの質問に、わからないことは誤魔化(ごまか)さず、わからない理由を説明し、対話によって広がっていく展開が興味深い。
 日ごろあたり前に使っている「ことば」の奥深さに唸(うな)り誰かに話したくなること確実。新しい世界の扉が開く。
読んでみると非常に面白い。お菓子の名前にパピプペポが多いのは、論理的、科学的理由があることがわかるのだ。音声学は面白い。言語学も。
いつものように以下に拾い上げた私なりのキーワードを紹介する。
ー「にせたぬきじる」と「にせだぬきじる」、「にせたぬきじる」はにせものの「たぬきじる」、「にせだぬきじる」は、にせだぬきのしる。母語話者は、この違いがわかる。似たような例は他にもあり、こだから=こ+だから、あおぞら=あお+ぞら、のような連濁の「ライマンの法則」による。
ー日本語には「”」の付く文字と付かない文字がある。なぜ、「あ・な・ま・や」には「”」が付かないんだろう?「濁点」は「声帯が振動するかしないか」を表している。
ー「えけ」の発音の時、「え」では声帯が近づき震えているが、「け」のときは声帯は振動しない。
音声や動画は以下のサポートページ参照してください。
『なぜ、おかしの名前はパピプペポが多いのか? 言語学者、小学生の質問に本気で答える』(ディスカヴァー21)のサポートページです。
上のサポートページにも紹介されているけど、国際音声記号というものがあることを知った。「有声性」、「調音法」、「調音点」で分類されている。
ー 昔は「はひふへほ」は「ぱぴぷぺぽ」だった。「母(はは)」は、昔は「ぱぱ」だった。
ー 子供の言い間違いは間違いじゃない。「あたらしい」は、昔は「あらたしい」だった。ほかにも「サザンカ」は昔は「サンザカ」、「あきはばら」も昔は「あきばはら」
ー 「コロコロ」転がる石と「ゴロゴロ」転がる石だったら、「ゴロゴロ」のほうが大きい石に感じられる。
ー 「両唇音」、「濁音」、「共鳴音・阻害音」の分類は印象的。「両唇音」がかわいいと感じる。
ー 原始人ってどうやってしゃべっていたの?という疑問に答えるのは難しい。まだ、わかっていない。
ー 「切る」って「ア」の声色だけで表現したらどうなる? この実験で、英語の人がしゃべった声色を、様々な言語の人に聞いてもらったの。そうしたら、その人たちがどんなことばを話してるかに関係なく、けっこう意味が伝わったの。声色だけでだよ。
ー 小さいものって高い音を出すんだよ。逆に大きいものって低い音が出ます。だから、「音が低い=大きい」ていうのはとても自然な連想。
ここからは「スペシャル対談:橋爪大三郎×川原繁人 ~社会学者と言語学者が考える「学び」とは~」からの拾い上げ。
ー 中国には「普通語」(プートンホウ)というものがあって、漢字で書くのだけど、それを上海語で読んでも四川語で読んでも広東語で読んでもいい。音にしてしまうと、互いにほぼ理解不可能。でも、漢字は共通。文字が大事なので、音は二次的。西欧の言葉と違って、音は二次的!。
ー 「勉強=正解にたどりつく=点数が大事」という誤解を子供の頃からすり込んでしまうのはよくない。私たち人間が今、本当に考えなければいけないのは、正当がまだ見つかっていない問題、それに、そもそも正しい答えが一つに定まらない問題。
ー 最近では、「コスパ」ということばをいたるところで耳にしますが、少なくとも「勉強に関しての時間的コスパ」という考え方には、私は賛成できません。
ー 八〇点を目指していれば、その結果として八〇点を超えることも多くあるでしょう。つまり、「期待以上の成功」という体験を多く味わうことができるわけです。
ここに拾い上げたこと以外にも、プリキュアやポケモンの名前の分析は興味深かった。自分の関係する商品の名前の分析をしてみたくなった。
大変興味深い本でした。




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