温故知新~温新知故?

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春にして君を離れ アガサクリスティ著 読了 〜これはミステリーでない 私小説でもない 怖さ、哀しさはあるが、なんといえばいいのだろう〜

2022-12-04 17:49:38 | 
この本は以下のBSの番組を見たときにこれは面白そうだ、読まなくっちゃと思って借りた。
アガサクリスティといえば、私的には「アクロイド殺人事件」(今は「アクロイド殺し」というようだ。)が一番印象深い作品だったし、映画などもいっぱいあってミステリー作家として超有名であり、いくつか読んだ本や見た映画も多い。しかし、以下のBSの番組の出演者の会話を聞くと、改めて読み直したいと思う。
その中でこの作品は結果的にはミステリーとかそういうジャンルを超えて、私の人生(妻、夫、子供など)と照らしあわせることをするような考えさせられる小説だった。ミステリーではないと思うが。非常に面白く、一気に読んでしまった。
彼女が残した作品は長編66作、短編156作。 50か国以上で翻訳され、代表作『そして誰もいなくなった』は1億部以上を売り上げ、史上最高のベストセラー作家と言われている。 1971年は、祖国イギリスに貢献したとして、ディム(男性のナイトにあたる称号)を授与。 番組厳選の“探偵”たちがホテルの一室に集まって会議。 綾辻行人さん 桜庭一樹さん 小林恭ニさん 山本容子さん アンガールズ・田中卓志さん
そう、最初はアガサクリスティという名前を隠して発表されたようだ。
最終章 追走の書『春にして君を離れ』 1944年第二次大戦が終わりに近づいた頃の晩年の作品。 メアリー・ウエストマコットというペンネームで書いていた。 ミステリーでは無い、不思議な小説。 最後の秘密がこの1冊に託されている。
いかにいくつか他の人の感想を紹介。
下の方がかかれている最後の栗本薫さんの解説は私も同感でありすごいと思う。よって、皆さんにおすすめという本ではない。
本作は、ホラーだった。お化けや怪物達が出てこないからこそ、余計にたちが悪く、読む者の心にほの暗い恐ろしさを釘で刻みつけるような作品であるように思う。 アガサ・クリスティーによる作品そのものも素晴らしいが、本書の末尾に収録されている栗本薫さんの解説も凄まじく鋭い。 「なぜ、この本が哀しかったり恐しいと感じるのか?感じる人間がいるのか?いったいこの本のどこが哀しいのか、恐しいのか?」と感じるかどうか、というのは、かなり個人差があるような気がする。私にとってはこれは個人的な意味あいで、正視するに耐えぬほど恐しい本であり、哀しみにみちた本であり、そしてまた、その恐しさと哀しみとで私に勇気を与えてくれた本であった。だが私の夫は(中略)この本にそんなに恐ろしさや哀しみは感じない、という。(327頁) 私の抱いた感想はこの中間である。すなわち、その恐ろしさや哀しみを感じるものではあるものの、それは正視できないほどではない。しかし、ふと思い出すと、得体の知れない恐ろしさが背後から忍び寄ってくるような作品なのだ。
他の感想も。
アガサ・クリスティーの「春にして君を離れ」を初めて読んだら最高の小説だった。全ページ全センテンス全ワードが好きだ。ポアロは登場せず、殺人事件も起きない小説であり、発表当時はクリスティーが名前を隠して別名で発表していたらしい。   けれどもこの小説は推理小説よりもずっとミステリーでホラーでスリラーだ。なぜなら「自分は他人の気持ちを理解できていないのではないか」という恐怖に訴えかける小説だから。以下、ネタバレありの感想である。

5つ星のうち4.0 「ロマンチック・サスペンス」ではない 2022年9月11日に日本でレビュー済み Amazonで購入 本の解説がミスリーディングなので、先に言うが、この本は「ロマンチック・サスペンス」などではない。単線的な考え方を持った母親を持つ家族の心の機微を描いた作品である。 客観的に見る分には、何ともこの人は考えが薄い人だな、という風に見えるが、自分自身がコチラの方が絶対に良い、と見える場合に、相手にそれを押し付けてしまっていないか? などと考えてみると、とても味わい深い作品になっているのが分かる。 心理描写に卓越したアガサ・クリスティならではの優れた作品である。
面白い本に出会えました。

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