梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

重手本忠臣蔵・三冊目

2009年10月30日 | 芝居
『大序』から『五・六段目』まで<総ざらい>、<顔寄せ>を行ってから『七段目』『十一段目』の<初日通り舞台稽古>でした。

『四段目』の諸士、細かい段取りは舞台上で確かめるしかないとはいえ、何度かある頭の上げ下げとか動きのキッカケですとかは、今のうちにしっかり覚えなくてはなりません。隣の人と同じことをすれば間違いないハズ…ではなく、全員がきちんと心得たうえで、それを<合わせる>ということですが、難しいことでございます。経験不足ゆえまだまだ余裕がない状態ですので、先輩方にご迷惑をかけることのないよう、気をつけてまいりたいと思います。

舞台稽古の『七段目』は、先月どっぷり新作歌舞伎につかっていたから、というのは言い訳がましいのですが、なんだか自分がどこでどうしていればよいのかわからないような、すっかり勘が鈍ってしまっていることに我ながら驚き、怖くなりました。
早く歌舞伎の仲居にならなければ! ダメダメすぎました…。

『十一段目』は、久しぶりの「引揚げ」の場が、お芝居としての段取りにもう一工夫を要するようで、稽古後の話では台本に若干手が入るようです。一日のしめくくり、いかに増補された場面とはいえ、物語の大団円でございます。どのように変わりますでしょうか。
師匠演じます服部逸郎は、馬に乗って登場いたしますが、舞台上での乗り降りの段取りも、表から見たら簡単なように見えるけれど、実は大変なんですよね。付き従う家来役の皆様の介錯と、馬役の方とのイキ。私は直接携われないのですが、袖から拝見していてつくづく思いました。

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