歌舞伎におけるBGMともいわれる<黒御簾音楽>。とはいえ、BGMという以上の役割、効果を発揮する大切な存在です。
黒御簾で演奏される唄や三味線は長唄さんが担当なさいます。だからということもあるのでしょうが、有名な長唄の舞踊曲のひとくさりが、お芝居の下座として使われることはしばしばです(下座専用の曲ももちろん沢山あります)。
よく引き合いに出されますけれど、今月も夜の部で上演されております『弁天娘女男白浪』では、幕開きが「向い小山のしちく竹…」で『越後獅子』、弁天小僧と南郷の出は「繻子の袴のひだ取るよりも…」は『鷺娘』ですね。
『菅原伝授手習鑑 加茂堤』でも、お馴染みの曲が使われておりました。桜丸と仕丁との立廻りのときに、「主のためとて天神様に願掛けて 梅を断ちます めいはく…」と華やかに唄いますが、コレは『手習子』の最後の部分ですね。
この場には登場しませんけれど、外題通り、菅原道真が中心となる狂言で、<天神様>が下座に出てくる。面白いですね。
知っている曲が聞こえてくると、「オッ、これは」と思われる方もいらっしゃると思います。
黒御簾で演奏される唄や三味線は長唄さんが担当なさいます。だからということもあるのでしょうが、有名な長唄の舞踊曲のひとくさりが、お芝居の下座として使われることはしばしばです(下座専用の曲ももちろん沢山あります)。
よく引き合いに出されますけれど、今月も夜の部で上演されております『弁天娘女男白浪』では、幕開きが「向い小山のしちく竹…」で『越後獅子』、弁天小僧と南郷の出は「繻子の袴のひだ取るよりも…」は『鷺娘』ですね。
『菅原伝授手習鑑 加茂堤』でも、お馴染みの曲が使われておりました。桜丸と仕丁との立廻りのときに、「主のためとて天神様に願掛けて 梅を断ちます めいはく…」と華やかに唄いますが、コレは『手習子』の最後の部分ですね。
この場には登場しませんけれど、外題通り、菅原道真が中心となる狂言で、<天神様>が下座に出てくる。面白いですね。
知っている曲が聞こえてくると、「オッ、これは」と思われる方もいらっしゃると思います。
かなりまえですが,「吉田屋」の幕開きで
トントントン まづ初春の 暦ひらけば 心地よいぞや
という唄を聞いて,あ,これ知ってるとおもったものでした.添田知道『日本春歌考』(カッパ・ブックス,光文社,昭和41年 6月)で読んだことがあったのです.「トントントン」は鞠つきの音ですけど,歌舞伎ではそれを餅つきの杵の音に見立てているんですね.しゃれた工夫だとおもいます.
もっとも,むかしの女の子たちがこんなエロチックな唄で鞠つきをしていたのかとおもうと,末おそろしい気にもなるんですが・・・(笑).