梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

No.25 <『勧進帳』稽古に初参加>

2007年08月03日 | 芝居
《一心會》の疲れもとれきってはおりませんが、本日は正午より《音の会》の『忠臣蔵 九段目』と、《合同公演》の『勧進帳』
のお稽古に参加。
『忠臣蔵 九段目』は、大和屋(玉三郎)さんと私の師匠、梅玉の監修・指導でございます。今日は師匠がおいでになって、幕開きの<雪転し>の件と、立役の役々(由良之助・本蔵・力弥)が活躍する後半場面を中心にご指導くださいました。
とりわけ後半部分につきましては、地方公演や昨日の《一心會》のような各種の催しがひとまず済み、主な出演者がようやく揃っての稽古でしたので、段取りを合わせたり細かい演技のやり方を確認したうえで、個々の台詞回しにしても芝居運びにしても、義太夫狂言としての基本をふまえながら、どう緩急をつけて盛り上げてゆくか、作の本意を伝えるか。そういう点を主にご注意下さいました。2時間余、じっくり見せる演目ですが、お客様を飽きさせないメリハリの利いた芝居づくりを出演者一同心がけます。


続いての『勧進帳』のお稽古も、出演者が全員揃ったのは今日が初めてでした。もちろん、弁慶、富樫はじめ、個々にはしっかりお稽古をしてきたうえでの合流ですが、代役無しの通し稽古は第1回目ということで、じっくりお稽古して頂きました。
私は富樫の後見。小道具も使わない素稽古の段階では仕事がないので、テープ係として参加。録音した長唄、を進行に合わせて再生、停止の繰り返しです。
監修・指導の成田屋(團十郎)さんは、発声の仕方や歩き方といったところから丁寧にご指導下さいます。その上で、「何を言いたいのか」「誰に言っているのか」「どういう気持ちでその形になるか」という風にお教え下さるので、はたで拝見しているだけでもものすごく勉強になりました。『勧進帳』だけでの話でおわらない、全ての芝居に通じることなのではないかな…。自分の無自覚さに反省です!

8月に入り、勉強会の各演目がどんどん形作られてまいります。
ご指導いただく方々に少しでも報いるためにも、皆で助け合い教え合い、一致協力して取り組みます!




最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
頭が下がります (さくら)
2007-08-04 03:26:11
一心會を終えられてぐったりお休みされてるのかな、なんて想像しておりましたが、役者さんの毎日はなんとも厳しいのですね。
その上、本興行は始まれば休みなしの1日2回公演。
私達に夢の世界を見せてくださる役者さんたちは、その裏で全力疾走しておられるんだな、としみじみ感じ入りました。
暑い日が続きますのでご自愛くださいね。
返信する