梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之京都日記・16『身辺雑記』

2005年12月12日 | 芝居
今日はとりとめなくあれこれを。
普段より二日間も公演日数が多い京都の顔見世興行も、いよいよ明日が中日。折り返し地点が見えてまいりました。
今日までの十三回の舞台、私にとりまして、少しずつではありますが、落ち着いて演じられるようになってまいりました。二つの立ち回りともに、その日のモニター録画を見て、(明日はここを変えてみよう)とか(ここはこうしなくてはダメだ)という点を見つけ、それを翌日の舞台で実行する。この繰り返しで、とにかく「前の日よりはよい出来」を目指しておりますが、さてお客様の目にはどのように見えているでしょう。立師の方々からも、いまだにいろいろなダメ出しを頂いておりますし、共演している先輩からもアドバイスをしてもらっております。
しかしながら、やはりどこかに<慣れ>という魔物は潜んでおりまして、本日の『京人形』では、幕切れで、以前話した<五徳>に音羽屋(菊五郎)さんを乗せる際、私の不注意からいつものようにポーンと勢いよく乗せることができなくなってしまい、ご迷惑をおかけしてしまいました。明日からはこのような失態はおかさぬよう重々気をつけますが、今まで何も考えずに当たり前のようにやっていたことも、ちょっとした油断で足をすくわれるという、よき教訓となりました。

…おかげさまで、体調は元通りになりました! 身体も軽く感じられ、ひどいだるさもなくなりました。大事に至らず一安心ですが、これからますます寒くなるので、こちらも油断なく、気をつけます。
以前の記事『秋の夜長は怪奇とともに』でご紹介した「日本怪奇小説傑作集」の第三巻もついに発刊。現代編ということで、小松左京、稲垣足穂、赤江瀑、そして大ファンの筒井康隆の作品も。これからゆっくり味わいましょう。怖くて寝られなくなるかも…?
それにしても、今夜の京都は寒いです! 南座の屋上から見えるビルに、電光掲示で気温を表示しているところがあるんですが、私が楽屋をでる直前に見たときで外気は三度。今はもう少し下がっているのではないでしょうか。そんな気候だからというわけでもないのですが、さっきまで、明日のおかずにしようと思って大根を煮ておりました。煮物専用の出汁が売ってるんですね。簡単で重宝してます。

淋しさに 大根を煮る 夜寒かな

何故淋しいのかですって? それはまあ、秘密です…。

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3 コメント

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大根は (梅ごよみ)
2005-12-13 16:27:19
体をあっためてくれますから、冬にはいいですね。

戸板康二先生の「ちょっといい話」に、日本俳優協会の会員には練馬区民はいないそうである、というのがありましたが、本当でしょうか?

俳優さんに、こんなことを聞くのも失礼ですが…。
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あしからず (safutagi)
2005-12-13 23:43:40
たしか、足元は見られる、すくわれるのは足ではないかと。
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safutagi様 (梅之)
2005-12-14 00:35:23
ご指摘ありがとうございました。

<足>をすくう、すくわれる、が正しい用法ですね。

本文を訂正いたしました。不勉強で申し訳ございません。

今後ともどんどんご指摘下さいませ。
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