梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

次に会えるのはいつでしょうか(↓)

2009年11月22日 | 芝居
気がつくと『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』もあと三日となりました。残りの舞台、お役を大切に勤めてまいります。

…さて、『忠臣蔵』の通しでは、何といってもこの狂言のみ行われる<口上人形>による"狂言名題"と"役人替名"の読み上げが、大切な演出として伝わっています。
配役紹介である"役人替名"は、幹部俳優さん、名題俳優さんのお勤めになるお役を述べてまいりますが、今回の一座では、総勢56人いらっしゃいますので、それなりの時間がかかりますが、開幕を前に、場内の期待がだんだんと高まってゆくような、歌舞伎でしかできないプロローグだと思います。

常ならば、開演の15分くらい前から行うこの口上ですが、今回は午前11時からとし、この開始をもって「昼の部開演」としています。歌舞伎座さよなら公演にあたり、しばらくはお目にかけることができないこの風習を、ご来場下さる皆様にしっかり観て頂きたいということで、このようになったと伺っております。開演前に行いますと、ギリギリでご入場なさる方がご覧になれないことがままございますので…。

ちなみにこの口上のはじまりを告げる下座のお囃子は<七つ頭の片シャギリ>と申すそうで、普段松羽目物の開幕時に使うものと、出だしが少し違うのです。今ではこの『忠臣蔵』のときにしか使われていないそうですが、格の高い、大切な演目のためのお囃子だそうです。

前回の通しのおりにもご紹介いたしましたが、柝の回数、七五三の東西声、置き鼓など、「大序」は本当に独特の世界ですね。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
役人替名 (さくらひめ)
2009-11-23 12:05:35
先月の御園座では、「えッへん!×三回」は
団十郎丈と仁左衛門丈のお二人だけだったのですが、
歌舞伎座は多そうですね♪
お時間もかかる訳ですね!
返信する