梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

水月博多座稽古場便り・1

2010年05月29日 | 芝居
大変充実した休暇とオサラバして、今日から博多座<六月大歌舞伎>のお稽古です。

新橋演舞場や大阪松竹座、名古屋御園座の5月公演が、そろって昨28日千穐楽。そして6月の初日は2日ということで、どうしても稽古日数が少なくなります。ぎっしり詰まった、濃い稽古となりました。
今日関係しましたのは、『紅葉狩』『小野道風青柳硯』『毛剃』『鬼平犯科帳 大川の隠居』の<附立>です。

『紅葉狩』には初めて出させて頂きますが、セリフもあり、振り事もあり、私にとりましては畏れ多いお役です。勉強の機会を与えて下さった方々には、本当に感謝申し上げます。一度段取り合わせをしてからのお稽古でしたが、かなり緊張しました。シンの方とやりとりする部分もございますから、じゅうじゅう気をつけて、行儀よく、品よく、そしていつも申すことながら、“作らず”にそのお役になれるよう、精進いたします。

『大川の隠居』は、前回の<長谷川家の女中>から<嶋やの女中>と変わりまして、こちらは長谷川平蔵をお出迎えしたりお膳を運んだりお酌したりといろいろ用事がございまして、まずは手際を気をつけます。そしてもちろん、雰囲気も。…前回とは脚本もやや変わる部分があり、この作品が歌舞伎として練り上げられてゆく過程に立ち会っているというのが嬉しゅうございます。

『毛剃』は、前回もそうでしたが、仲居の段取りにこれといった定型はないようで、いろんな先輩方のお話を伺いましても、皆様ちょっとずつ違う箇所がございます。今回は仲居の数が少し減りましたし、当然舞台の間口も変わります。もとよりシンが変われば演出,段取りが変わるのは歌舞伎の常ですので、、臨機応変、柔軟に対応してまいります。

最後になりましたが『青柳硯』。前回と変わる部分がございますが、これはご覧頂いてからのお楽しみ。蛙の仕掛けも、明日の<道具調べ>できちんと決めたいと思っております。

明日はいよいよ博多に乗り込みます。恒例<船乗り込み>も賑々しく開催されますので、博多の皆様、どうぞお出まし下さいまして、<六月大歌舞伎>を盛り上げて下さいませ!


           ◎

勝手ながら、昨日よりコメントの投稿受付を一時停止させて頂いております。ご迷惑をおかけしますが、何卒ご了承下さいませ。


最新の画像もっと見る