小道具部屋の前を通りかかりましたら、お芝居に使う傘たちがメンテナンスを終えたところでした。
毎日使ううちに、ちょっとずつ痛んでくるものですので、小道具方さんが直して下さいます。
骨ばかりで桜の造花が付いているのが『京鹿子娘道成寺』で所化が使う<花傘>。
三つの紋が散らしてあるのが『俄獅子』でカラミの若い者が持つ<番傘>。成駒屋さん(翫雀さん、扇雀さん)ご兄弟の定紋である<寒雀の中に翫><寒雀の中に扇>、そして替紋の<蝶花菱>が描かれており、ご兄弟共演による今回の上演のために誂えたものでございます。
そして左側にある柄の長いものが、やはり『俄獅子』での立廻りで使われる<住吉踊りの傘>です。傘の部分が2段重ねになっておりまして(写真では下のだけ開いています)、先端には御幣、傘の縁には麻の葉鹿の子の布が飾りでついています。
住吉大社の行事から発展した江戸の住吉踊りは、多くは願人坊主が銭を得るための大道芸として広まったようでございますが、吉原でも行われていたことは、当時の浮世絵で見ることができます。吉原が舞台である『俄獅子』の立廻りに登場するのにも、ちゃんと理屈があるのですね。
毎日使ううちに、ちょっとずつ痛んでくるものですので、小道具方さんが直して下さいます。
骨ばかりで桜の造花が付いているのが『京鹿子娘道成寺』で所化が使う<花傘>。
三つの紋が散らしてあるのが『俄獅子』でカラミの若い者が持つ<番傘>。成駒屋さん(翫雀さん、扇雀さん)ご兄弟の定紋である<寒雀の中に翫><寒雀の中に扇>、そして替紋の<蝶花菱>が描かれており、ご兄弟共演による今回の上演のために誂えたものでございます。
そして左側にある柄の長いものが、やはり『俄獅子』での立廻りで使われる<住吉踊りの傘>です。傘の部分が2段重ねになっておりまして(写真では下のだけ開いています)、先端には御幣、傘の縁には麻の葉鹿の子の布が飾りでついています。
住吉大社の行事から発展した江戸の住吉踊りは、多くは願人坊主が銭を得るための大道芸として広まったようでございますが、吉原でも行われていたことは、当時の浮世絵で見ることができます。吉原が舞台である『俄獅子』の立廻りに登場するのにも、ちゃんと理屈があるのですね。