梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

太郎月稽古場便り・梅の巻

2006年12月29日 | 芝居
今日が私にとりましての<仕事納め>。
昼過ぎに『金閣寺』、夜半から『松竹梅』の<初日通り舞台稽古>でございました。
『金閣寺』。これまでの稽古では“あるつもり”だった、師匠と私の間の<捕り縄>が、実際に使われました。さあこうなりますと、弛みすぎてもいけず引っ張りすぎても具合が悪い縄の張り具合の調節が難しゅうございます。本日のお稽古では、どこでどのくらいの間隔をとればいいのか、どのくらい引っ張ればよいのか、そういう演技以前の段取りをきめるのが精一杯。初日に備えて万全にしておきたいのは山々ですが、初日以降も思案案文、試行錯誤は続きそうです。

『松竹梅』での後見は、仕事が少ないので至極無難に勤まりました。しかしながら、着付け作業には時間が要しました。やはり王朝装束は大がかりなぶん手間もかかりますね。後見の仕事は、すでに楽屋から始まっております。お客様に見える見えないは別として、任務はきちんと果たせるよう努力いたします。
2006年の全ての仕事を終えたのが午後9時過ぎ。アクシデントもなく勤め上げましたのはなにより有難く、ホッと安心いたしました。明日から3日間の休日を大事に有意義に過ごし、平成19年をさらに充実した1年にすることができるように全力で頑張ります。
とりあえず明日はワクワクの予定が控えております…!