梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

最後の舞台は雨の中

2006年12月26日 | 芝居
本日、12月大歌舞伎<千穐楽>。
何事もなくつつがなく、25日間の舞台を終えることができました。
『嫗山姥』と『将門』、ふたつの立廻りに参加させて頂き、『勢獅子』では後見、『出刃打お玉』では師匠の数度の<早ごしらえ>。沢山たくさん勉強させて頂いたひと月でした。
興行が始まる前に予想していたよりも、はるかに<くたびれる>毎日ではございました。しかしながら、先輩方の鮮やかな立廻りを目の当たりにし、自身の未熟な出来を顧みたり、衣裳さんとじっくり一から相談しながら段取りを工夫したりと、改めて、今まで気がつかずにいた諸々のこと(とても大切な、忘れてはいけないこと)を確認しながら仕事をすることができたのは、大変有難いことでした。
公演中盤、トンボの調子が少々崩れかけまして、ご覧の皆様に格好悪い姿をお見せしてしまった日がありました。おかげさまで数日で元に戻りましたが、いつかも申しましたように、心技体のバランス、そして日々の鍛錬があってこそ勤まるもの。常によいコンディションでいられるよう、これからはもっと己に厳しく稽古をしてゆかねばなりません。

なにはともあれ平成18年の最後の公演を無事に終えることができました。色々課題は残りましたが、悔いはありません。1年を通じて、怪我もなく大病もせず、多くの勉強をさせて頂きました。回顧はまた後日といたしますが、今はとりあえず、大きく「ホッ」とさせて下さい。
明日はもう来年の稽古ですが…。