梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

太郎月稽古場便り・竹の巻

2006年12月28日 | 芝居
本日は午前中に楽屋作りを済ませ、午後4時から<顔寄せ>、引き続き『金閣寺』の<総ざらい>、『勧進帳』の<初日通り舞台稽古>、『松竹梅』の<総ざらい>と、師匠と私が関係する演目が立て続けに稽古されました。
『金閣寺』では、実際動いてみての感覚が、昨日のお稽古でだいぶ掴めましたので、落ち着いて勤めることができました。しかし明日は広い舞台に場所が移ります。師匠と自分の立ち位置や歩く速度も変わることでしょうし、場合によっては段取りも変更があるかもしれません。今日までやってきたことはやってきたこととして、舞台稽古では臨機応変に対処できるよう気をつけます。

そういう意味では、『勧進帳』こそ稽古場と実際の舞台での動き、段取りの違いがはるかに大きいです。歌舞伎座の大舞台を、後見特有の<膝詰め>でたびたび移動いたしますが、なかなか目的地にたどり着きません! 進行しているお芝居の邪魔にならない速度で、しかるべきキッカケまでに所定の位置に移るためには、もっともっと場数を踏んで<舞台の寸法><芝居の寸法>を心得なくてはいけません。新年早々勉強の機会を頂いたことに感謝しつつも、まずは滞りなく諸々の用事をきちんとこなさなくてはならないのも事実。今日は改めて手順を確認しながら勤めさせて頂きました。

『松竹梅』も、明日の舞台稽古では後見の居所や動線を考え直さなくてはならないでしょう。本当の<仕事納め>、バシッときめて楽しい年の瀬を迎えられますように!