梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

準備は万端!?

2006年03月16日 | 芝居
十二日の『どうにかこうにか丸一年』の記事へ、本当にたくさんの方々からのコメントを頂き、有り難うございました。二年目となる当ブログをますます元気に運営できそうな予感です!
『花を訪ねて鎌倉巡り』にも、多数コメントを頂き、皆様の鎌倉へのご関心の高いことを実感いたしまして、鎌倉出身の私としましては嬉しい限りです。これからも、時折はこのような鎌倉小旅行の模様をお伝えして参りたいと思っております。

さて……

今日は一日自宅におりました。
間もなく引っ越しですので、箱詰めやら荷物整理やらゴミの片付けやら、また電気ガス水道の手続き、不動産への連絡…。引っ越しって、どうしてこんなにすることがあるのでしょう!? 根が怠け者で面倒くさがりですので参っております。
しかし考えてみれば、芝居の世界も毎月毎月、劇場から劇場へと引っ越しを繰り返しているようなものですよね。地方巡業ともなれば毎日がそうです。撤収、荷開けには慣れているはずなのに、ことプライベートになるとこの始末。情けないことです…。

さて、二十一日に開かれる<稚魚の会 茶話会>お陰様で、事前予約だけで五十人近いお申し込みがあったとのこと、有り難く思っております。例年通り、私は落語を披露いたします。今回は『粗忽の釘』に挑戦することにいたしました。柳家小さん師匠の音源を元に稽古いたします。私の持っている音源では、小さん師匠はマクラも入れて約二十五分かけてなすっておいででしたが、素人の私にはとても保たせきれませんので、なるべく短くいたしたく、筑摩文庫の『古典落語 金馬・小圓朝集』に掲載の速記本や、やはり筑摩文庫の『落語百選 秋』(麻生芳伸 編)に収録の脚本を参考にしながら、多分に刈り込んで演じることになりそうです。粗忽者の大工をどう演ずるか、楽しみでもあり、不安でもあり。まあほんの一夜のお楽しみですから、深刻にならず、気楽に稽古いたしましょう。…でも真剣ですよ、あしからず!

写真は国立劇場からほど近い、平河天満宮の絵馬掛けです。発表会の頃はちょうど梅の盛りでした。
今日は短文で失礼します。