タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

シンポジュームのこと~その2

2008年06月15日 | タカの渡り観察
 ARRCNのシンポジュームでは英語力のないタカ長はまったくの「蚊帳の外」状態だったことは白状しました。そのようなわけで肝心のシンポジュームの核心部分のお話は出来ません。

 それでも渡り関係の発表が多かった初日はマジメに会場に座っていました。しかし、2日間付き合うのは気が重いので、二日目は会場周辺を鳥を探しながら歩き回りました。



 これは昨日も紹介した朝食前の散歩ですが、二日目はこれ以上にキリが深くて探鳥も十分出来ない状態でした。不真面目なことを考えるから神様が邪魔をするのでしょうか?



 タムダオはハイランドのリゾート地ですが、観光一色の町ではありません。農業も行われています。この写真の竹を組んだところはススと言うつる性の野菜を栽培している畑です。タムダオのススは品質が良いのかハノイなどの町に出荷しても一段良い値段がつくそうです。そのためかどうか町の道路端の小さな空地にまでススが植えられていました。



 これは町の食堂で食べたスス。あっさり味でなかなかいける味ですが、このススは町の食堂でもホテルのレストランでも出されたので、何でも食べることは厭わないタカ長も最後は少々食傷ぎみになりました。



 町ではよく若い学生のグループに会いました。バスで来ている団体も多く居ました。彼らは外国人が珍しいのか、バスで行き逢うと窓から手を出してキャーキャー言いながら手を振ってくれます。
 このように路上でつかまると私たちはまるで映画スターみたいな扱いで、一緒に記念写真をねだられることもあります。

 どこかの国ではこのように多くの若者に囲まれると恐怖感さえ覚える状態ですが、ベトナムの学生たちのストレートな明るさに接すると心が洗われる思いがしました。

 今年のベトナムの天気は例年と様子が違ったのか、シンポジュームの期間中タムダオは連日キリに包まれていました。南の国らしい青空が見えたのは最終日の午後からだったでしょうか。



 これはシンポジュームの会場になったメラホテルのプールサイド。奥に白く見えているのがポスター展示で、左から3番目のがタカ長のものです。この写真はエキスカーションが終わってホテルに帰ったとき撮ったのですが、この時間でもタカは渡っていました。

 天気が良ければプールサイドからでも、部屋のベランダからでも渡りが見られるのです。ベトナムのメンバーは最高のロケーションでシンポジュームを開いてくれたのです。

 余談を一つ。

 タカ長のメンバー、トビ吉おじさんは犬が苦手なのです。このように犬が苦手な人はタムダオばかりでなく、ベトナムの田舎は歩かないほうが無難なようです。
 タムダオの町も犬だらけでした。ホテルを出ようとしたら玄関の前にゴロ~。あちらを向いてもこちらを見ても犬、犬、犬の状態です。
 どれもこれもおとなしい犬たちで、私たち人間の存在など無視して横になってきますから、私たちがよほど挑発しない限り犬が騒ぐことはないようですが、犬と出会うことだけでストレスを感じる人はベトナムの田舎への旅は遠慮したほうが良さそうです。

 ハノイの町ではまったく犬に会わなかったようですから都市部の旅行は大丈夫???

シンポジュームのこと

2008年06月13日 | タカの渡り観察
 さて、昨日紹介したベトナムで行われたARRCNのシンポジュームのことです。本当はここで、シンポジュームで発表された最新の研究結果を紹介したいのですが、、、、

 結論から言いますとそれが出来ないのです。シンポジュームで使用される公式言語は英語だと言うことは最初から分かっていました。タカ長の英語能力が劣ることももちろん分かっています。
 それにしても、それにしても会場は英語だらけ(当たり前のことですが、、)で、英語能力の劣る人に対する手加減はまったくナシです。

 そのようなわけで最新の研究結果の紹介はできませんが、それでも参加してよかったと思っています。まさに「参加することに意義あり」ですね。

 

 これはベトナムのLee Manh Hung さんの発表です。彼はアメリカへの留学経験を持っているのでもちろん英語はペラペラです。しかし、当然のことですが「ベトナム英語」ですね。インドネシアの人は「インドネシア英語」タイの人は「タイ英語」です。日本人はもちろん「ジャパニーズ・イングリッシュ」ですね。
 このように会場では各国の英語が飛び交っているのです。ですから、NHKのラジオ講座で聞くような英語しか対応できないようでは彼らと互角に渡り合えないのです。タカ長の耳には英語とも思えないような話し方にも他の参加者は立派に対応していましたから、このシンポジュームの参加者の能力は相当なものです。(タカ長の能力が低すぎることは分かっていますが、、、、)



 シンポジュームのテーマは渡り関係だけではないので、私はすべての話を聞くつもりはありませんでした。しかし、この話だけは期待していたのです。

 Dr.Keith Bildsttein の 「The Geography of Raptor Migration」

 博士はアメリカの「ホークマウンテン」の研究者で、渡りに関しては世界的な権威だそうです。(タカ長はそのようなことも知らないのです、、、)ホークマウンテンは世界で最初に作られたサンクチャリーで、タカ長も一度は行ってみたいと思いながら実現できていません。そこの先生の講演ですから期待していたのです。

 直訳すれば「タカの渡りの地理学」と言うことになるのでしょうが、講演の内容はタカが山の斜面の上昇気流を使って渡っていく、と言うような初心者向けの内容ではありませんでした。

 

 博士はミサゴの渡りの研究で知られている人のようです。その発表もありました。アメリカ東北部からカナダにかけて営巣しているミサゴの衛星追跡をした結果それらのミサゴはキューバ各地に渡って行っている、、、その航跡図も発表されていました。もちろんミサゴだけの話ではありません。

 南北アメリカの間、シベリアからアフリカへ渡るタカなどの長距離の渡り、アメリカでの観察者数の推移の話、気候変動と渡りの関係などの話など、タカの渡りの世界を一つの立体的な山みたいなものにたとえ、その立体的な山の色々な側面からタカの渡りの世界について話されていたように思いました。まさに「タカの渡り」と言う山の地理学です。

 でも悲しいかな、タカ長には英語が分からないのです。具体的な紹介が出来ないのです。同時通訳がついたシンポジュームなら良かったのですが、最初に言いましたようにまったくの手加減ナシの英語世界のことですから、この程度の話でご容赦下さい。



 これは朝の散歩風景です。毎朝ホテルの周りを鳥を求めて散歩しました。私たちには珍しい鳥も見つけたのですが、細かいことが分からなかったり、霧がかかっていて細かいところが見えなかったり、、、、それでも楽しい散歩でした。

 明日は都合があって更新できないかも分かりませんが、シンポジュームで経験したことの話はもう少しさせて頂きます。

終わってしまえば~隣の国の事情(その2)

2008年06月12日 | タカの渡り観察
 昨日、隣の国韓国でタカの渡り調査で新しい動きが見え始めた、と紹介しました。その続きです。



 今年の4月ARRCNの5回目のシンポジュームがベトナムで開かれました。世界18ヶ国から102名の参加者(事務局発表)がありました。事務局によると参加者数はこれまでのシンポジュームより少なかったものの、参加した国や地域数でみると過去最高だったそうです。
 このシンポジュームに韓国からも3名の参加者がありました。タカ長も初めて参加しました。

 シンポジュームでは口頭発表、ポスター発表を合わせて45の発表がおこなわれました。



 その中の一つ韓国のポスターの一部です。キム・ソンヒョン研究員を中心にした韓国チームの発表で、2007年韓国鳥学会で優秀賞を得た紅島での渡り調査のポスター版です。
 このようなシンポジュームに出席すること、そしてそこで研究発表を行うこと自体が新しい動きと言えます。韓国チームのもう一つの発表はアカハラダカの繁殖生態についてのもので、これは口頭発表で行われました。

 

 タカ長もポスター発表をしました。韓国チームなどの発表はシンポジュームのレジメ集にも掲載されている公式なものですが、タカ長の発表は急遽決まったにぎやかしのもの(?)です。もちろんレジメ集には掲載されていません。そこで韓半島と日本の間の渡りについてA4版7枚の発表と2種類の小冊子を展示しました。手前から三つ目がタカ長のポスターです。(読むことは出来ませんが、、、、)

 チョッと余談が長くなりましたが、韓国の研究者がタカの渡りについて海外に出て公式な発表をすることはこれまでなかったはずです。この一事だけでも新らしい動きの胎動を感じるのです。日本での渡りを考えると、韓国でのデータが欲しくてかなわないタカ長としてはこのような動きに大いに期待しているのです。

 もう一つ余談です。
 先ほど申し上げたようにこのシンポジュームでは45の発表が行われましたが、そのうちの16がインドネシアチームによるものでした。学生を含め十数名が参加していましたがそのパワーは会場を圧倒していました。これは会場に行くまではまったく想定していなかったことで、タカ長には驚きの連続でした。

 アジアの国では若い力が育っているのです。

終わってしまえば~隣の国の事情(その1)

2008年06月11日 | タカの渡り観察
 終わってしまえば速かった春の渡り。タカ長はこの季節裏山で夏鳥を楽しんでいます。その折にも空を見上げていますがタカらしきものは何も飛んでいません。やはり終わってしまったのですね。

 この観察地の主人公は間違いなくハチクマですが、そのハチクマは韓半島を経て日本に渡ってきていることが衛星追跡の結果で、目に見える形で示されています。何万か渡ってくるハチクマのうちの10羽程度の追跡結果ですから、すべてのハチクマが韓半島経由、と言いきれるかどうかは分かりませんが、いずれにしても春のハチクマの渡りは韓半島抜きでは語ることが出来ません。

 ところがその韓国にはタカの渡りに興味を持っている人が少ないのです。最近は東南アジアの国でもタカの渡り観察が継続的に行われるようになってきていますが、それらの国に比べると韓国の動きが鈍くてタカ長はやきもき、イライラしているのです。ところが最近少しずつですが新しい動きが出てきました。

 2007年の韓国鳥学会で鳥類研究センターのKS研究員(当時)が、韓国南西部の離島、紅島(ホンド)で行ったタカの渡り調査の結果を発表して優秀賞を受賞したのです。韓国の鳥学会でもタカの渡りに関する研究が認められた、と言うことなのでしょうか?とにかくタカ長には嬉しいニュースでした。



 その時の写真をインターネットで見つけたので紹介させて頂きますが、画像サイズが小さいのはご容赦下さい。後列左から6人目がKS研究員です。顔の詳細は分からないでしょうが(それでも良いのですが、、、)若い人が多いことだけは感じていただけるでしょう。
 このように野外での観察の場で見る限り韓国で鳥を見ている人は日本より若い人が多いのです。その若い人たちの中からタカの渡りに興味を持って取り組んでくれる人が数多く出てきてくれることをタカ長は切望しているのです。
                          (つづく)

裏山歩きから

2008年06月10日 | 山歩きから
 渡り観察で落ちた(?)体力を回復するためにこのところ連日のように裏山を歩いています。仲間と歩いたり、一人で歩いたり、、、、、

 今日は13名で歩きました。そのために野鳥観察はおろそかになったでしょうが、それにしても今年の夏鳥は少ないように感じています。やたら目立つのはオオルリだけ、数が少なくても声が遠くまで届くので存在感があるのがクロツグミ。いつも歩く林道では何故かセンダイムシクイの声が聞かれます。



 このようなときには花を見て歩けばよいのでしょうが、この面は鳥以上に分からなくて、あまり難しく考えないことにしています。

 

 何か見つけたらカメラを向けるのですが、それも気ままに向けるだけですから本当は人さまにお見せできるものはありません。それをあえてアップするのはタカ長の図々しさでしょうか?



 裏山のの田植えは済んでいました。このの近くではサシバが繁殖しているはずですが、今日も姿を見ることが出来ませんでした。

 夏の終わり頃に元気に育った幼鳥を見たいのですが、、、、、、、、

伯耆大山に登りました

2008年06月06日 | 山歩きから
緑の森を歩いてきました

「タカ長ブログ」ファンの皆さまご無沙汰しました。観察シーズンが終わって正直疲れて、、、、、、ぼんやりとしていた、と言いたいのですが本当はそれなりに忙しくしていました。

6月4日~5日1泊2日で伯耆大山に行ってきました。登山目的の大山行きです。





この時期の大山は緑が一杯です。どこを歩いても緑緑、、、、です。登山目的のために野鳥は探しませんでしたが、それでもキビタキやオオルリは近くでバッチリ見ることが出来ました。

サンコウチョウの声も近くで聞きました。やたら耳についたのがコルリの声。私にとって久しぶりだったのは駒鳥越で聞いたセグロカッコウの声でした。遠くではなかったのですが姿は見ることが出来ませんでした。ジュウイチもくどいくらい鳴いていましたがこれも見つけることが出来ませんでした。

クロジのさえずりも近くで聞きましたが姿を見たのは飛んで逃げるときだけ、、、山を歩きながらこの緑の中で野鳥をパッチリと見るのはなかなか難しいようです。



4日の夕方一瞬晴れかかったのですが夜は激しい雨、そして強風で山を歩けそうな状態ではありませんでした。
しかし、5日の朝は回復、思ったほどは風も吹かなくて全員頂上に立つことが出来ました。



山はご覧の通りです。その全容は見せてくれませんでしたが、無事に登山できて全員大満足の伯耆大山行きでした。

大山はこの週末が山開きで、これから本格的な夏山シーズンを迎えます。崩落の進む大山ですが登山道の整備に努力して頂いているお陰で、私たちはコースタイム通りに歩くことが出来ました。