いつもより静かな一日が幕を開けた。
昨日からチョット 喧嘩の真っ最中。
今朝も無口を貫き通す。
ルンバはテレビとオハナシしている。
私は、それも聞こえないフリで戦いは続いている。
少し高級な「私が買ってきた」牛乳を飲みトーストを口に入れた。
低脂肪牛乳とはひと味違う旨さだ。
酒の違いは全く分からないが牛乳の違いを私の舌は敏感に察知するようだ。
やっぱり人間には得意な分野と云うのがあるのだろう。
話は逸れてしまったが、朝食後寝室へ上がってベッドメーキング。
2時間程空気に晒して湿気を取ったタオルケットやシーツを元に戻しシワを取ってホテル並みとは云わないけれど満足できるベッドが完成。
次はカーペットの床をコロコロしてゴミを取るのだが、何回コロコロしても抜け毛が沢山取れる。
この毛が全部自分の毛かと思うと哀しくなる程だ。
いっそのこと剃ってしまおうかと思うが、それも面倒臭いので全部抜け落ちるであろう未来を待つことにした。
コロコロの髪が貼り付いた粘着テープのゴミを数枚持って居間へ下りるとルンバが珍しく外出着で現れた。
「車で美容室へ行ってくるね」と云うので思わず「気を付けてね」と云ってしまった。
無口を貫き通すはずだったのに・・・・・。
「勝った」と云うことなのだろう。ニヤリと不気味な笑みで玄関を出て行ったルンバに「負けた」ことを自覚し悔しさが込み上げる。
でもルンバはきっと自分も悪かったと思っているだろう。
帰宅した時には「お父さんの好きなのをみつけたから買ってきたよ」と云いながら何かを手渡して私に軽くゴマを擂るに違いない。
案の定、スーパーのレジ袋を自慢気に示して帰宅。
予想通り「お父さんの好きなのを見つけたから買ってきたけれど、食べるでしょ」と訊かれ
「・・・・・うん、食べる」と 応えてしまった自分が情けない。