昨夜、寝る準備をしていて、いつものように栞が挟んである本を枕の横にセットした。
娘を病気で亡くしたことが原因で、ついに離婚するに至った男性の気落ちした心が、笑顔溢れる家族との写真以外、ほとんど何もない部屋から滲み出ている冷たい空気を感じさせるストーリー。
そこへ突然迷い込んできたランドセル世代の少女。
交番へ連れて行こうとするのを嫌がりテレビの薄さやスマホにイチイチ驚く時代錯誤ぶり。
もしかしたら娘の代わりに過去から来たのでは無いかと思いながら食事を与え………
ラストでは眼科医から「足りない」と云われている涙が私の目から流れて…なんてことを思ったところで、この本の返却日が一日過ぎていたことに気付いた。
だから、それから先は、ドンドコドンドコ飛ばし読み。
涙なんか一滴も出ず、どんなストーリーだったのかも判然としないまま今日図書館へ返却しに行った。
代わりに借りてきたのがマイフレのS子さん推薦の奥田英朗さんの本。
奥田英朗さんと云う名に記憶が無いから、多分初めて手にしたのではないかと思うのだけれど、S子さんが面白いと云うのだから、多分私にも合うに違いない。
何故なら、S子さんからは私と同じような匂いを感じるからだ
特にエロいのが好きとか (違うかなぁ…)
探して見つけた三冊を内容も確認せずに全部借りてきた。
偶然にも彼女が推薦する伊良部先生モノも2冊入っていたのだけれど、それは楽しみにとっておいて短編のエッセイが詰まっている本を手にとった。
その前に巻末にある「あとがき」に目を通してみたら、何と作者本人が書いていた。
それを読んだだけで私の顔はニタニタ。ニヤニヤではなくニタニタだ。
S子さんと同じ表情をしているのではと確信した瞬間だ。
さぁ、奥田英朗さんの世界に入ってみよう。
もっと沢山のニタニタが待っているに違いない。