丁度良い大きさでテレビの音が聴こえているので、昼寝には快適空間。
でも何かがオカシイと感じて周りを見まわすと部屋には誰もいなかった。
テーブルの上には 「買物に出ます」のメモ。
一人残された私は 何もすることが無いので新聞を広げた。
30年余営業してきた書店が店主の高齢と売上減少の為に今日で閉店するらしい。
また街のメインストリートから一つ店が消える。
だから 今日のウォーキングコースは釧路駅前のメインストリート 北大通りを歩くことに決めた。
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その昔、石川啄木が「さいはての駅に下り立ち 雪あかり さびしき町にあゆみ入りにき」と詠んだ釧路駅前をスタートし 今日で閉店すると云う書店を眺め、これも懐かしい隣の「ミヤケ模型店」に入った。
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子供の頃何度も入った店が少し場所を移したとは云え、駅前に残っているのは嬉しい。
昔は 高くて とても手の届かなかった大きな戦車のプラモや熊本城なんかを ワクワクして手に取ったのだが、6800円とかの表示を見て静かに元の棚に戻した。
オッサンになった今でも 高いものは やっぱり高いのだった。
昔は この街で一番の高層ビルは鶴屋デパートだった。
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確か6階か7階建てで こんなに高くて下が潰れないのか、倒れないのか 本気で心配したものだった。
初めてエレベーターと云うものに乗り エレベーターガールのガチャガチャとハンドルを操作する様を興味深く眺めた。
エスカレーターなるものが登場した時には ほとんどの市民が押しかけて 次々と現れる階段を不思議そうに眺めて 用事もないのに何度も何度も乗った。
別のデパートに 下りのエスカレーターができたと聞くと また押しかけて上がったり下りたりを繰り返したのを思い出した。
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今ではそのデパート以上に高いホテルなどがピョンピョン建ったが 一方では、鶴屋デパートをはじめ山下書店や中山茶紙店など老舗が次々とこのメインストリートから姿を消しているのは寂しい限りだ。
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駐車場が無いことが一因なのだから、気軽に停められるように いっそのこと
大通りを駐車可にしてしまえば良いのにと いつも思っている。
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釧路川へ到達しユーターン。
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沢山の人を除けて歩いたあの頃の街並からは まるでプラモで作られた街のように音が消え、二度と開くことが無いシャッターが並ぶ。
再び「さびしき町」になってきているような気がするのは 私だけだろうか。