
「暗いなぁ・・・・」と思ったら雨が降っていた。
予定の無い日は、目覚めた時が一日の始まりだ。
朝食の用意をしていて、ひと月に一度通っているクリニックから処方されている薬が切れていたのを思い出した。
病人には薬が命の綱だ。それが無くなっていたのを思い出したのだから突然狂ったグータラ日。
忘れていたクリニック受診が何よりも優先だ。
つまり穏やかな一日が突然戦場に変わったと云うことだ。
禁食で採血しなければならないので急にアタフタ。食事どころではない。
ルンバも半分以上が死人の私に付き添わねばならないので洗濯どころではなく、上半分が見えていた乳を隠し、アタフタと外出着に替えている。
「雨降っているからフード付いた服の方が良いかなぁ・・・」と云ってみたけれど返事もない。
いつもより出遅れた為にクリニックで受付した時は「23人待ち」の表示。
2時間は待たされるだろうなぁ・・・と思っていたけれどヨタヨタしている爺婆が少ないのか意外に早く呼ばれてオチッコを出し、血圧、採血と体重測定。
体重は実測値に近づける為にポケットの中身を全部出し、上着も脱ぐ。
後は約1時間の結果待ち。
スマホを眺めて備え付けの新聞読んで時間を潰す。
で、結果はそれなりに良くて それなりに悪く 同じ薬を処方された所で気が付いた。
「小銭入れが無い」
体重測定の時に、ポケットから出した・・・・ような気がする。
看護師さんに訊いてみたけれど小銭入れは無かったし、届いていないとの返事。
「小銭って・・・いくら入っているの」とルンバ。
「多分1万円札と小銭2000円ぐらい」と私。
「ヒエ~~~ッ」と院内であることを忘れて悲鳴を上げるルンバ。
ガックリ項垂れて帰宅し、何度も調べたズボンと上着の全ポケットを再点検したものの、無いものは・・・無い。
意気消沈し服を脱いでいて、何か変な感じがするのに気が付いた。
(何? 何だろう) と思いながら上着を脱いでいた時、何かが手に触れた。
マジ・・・・・・と私。こんなことってある?
ポケットを何度も探していたものが、上着のフードの中にスッポリ入っていたのを見つけた。
「お母さん、あったよ。小銭入れがあった」と狂喜乱舞する二人。
1万円札も確認できたし、記憶はしっかりしているのだ。
ただ、チョット ズレただけ。
さて、かなり遅くなったけれど、朝飯食おうっと。
普段のグータラ日が やっと戻って来た。
ルンバの上乳が下着の中で揺れている。