強盗じゃないからね

吹雪の天気予報が外れ、ただの強風が吹き荒れている。

雪かきを免除されただけで少し ご機嫌の私。
風に負けないように、いつもは脱ぐ部屋着の上に重ねてウインドゥブレーカーを着こみ、プックラのダルマ状態でウォーキングへ出発。

近所の「除雪の神」の家、雪かきがされたようだが、神の仕事ではないと一目で分かる。
神は まるで龍安寺の石庭の如くキメ細やかな 芸術的な技を見せるが、目の前の作業跡はあまりにも雑だ。

神の復帰を願いながら国道へ出た。
車の走行は それなりにあるが、さすがに人は歩いていない。
吹き付ける風の中、ウォーキングしているアホは私ぐらいだ。

ウォークマンの音量を上げて風音を消し去り時々デカイ声で叫ぶ、いや歌う。
出ているのは鼻と口だけ。これを動かさないと麻痺して凍りつく心配がある。
だから、歌詞を覚えているサビの部分にくると大声を張り上げる。
そして時々我に還り 周りを見回して人が居ないのを確認してから また自分の世界に浸る。

鼻水が凍る。目の玉も冷たい。

強盗さんが被るらしい「目出し帽」とか云うやつが欲しくなってきた。
買う時に 身分証明書とか要るのかなぁ・・・・・
目出し帽被って、いつもパトカーが隠れている横を通る時
「チョットチョット アンタ 待ちなさい」って言われるかも知れない。
それは それで 嬉しい。