TAKAのつれづれ帳

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映画「劔岳 点の記」(2009年)

2009年06月24日 | 映画、TV・ラジオ番組
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明治39年、日本地図の空白地点「劔岳」に三角点を設置するために、陸軍参謀本部は
陸軍陸地測量部の測量士、柴崎芳太郎(浅野忠信)に「劔岳」初登頂と測量を命ずる。
柴崎は山の案内人、宇治長次郎(香川照之)と共に下見のために現地を訪れたが
あまりの険しさに、登頂に適したルート選定も出来ずに下山する。

同じ時期に日本山岳会の小島烏水(仲村トオル)が初登頂を目指していることを知った
陸軍参謀本部は、陸地測量部に対して必ず先に登頂するように命令する。
そして翌明治40年、柴崎と宇治に助手の生田信(松田龍平)を加え総勢7名で
周辺の山に登頂し三角点を設置していく。そしていよいよ劔岳を目指すことになる。

この三角点というのは、国土地理院発行の地図を見た事がある方ならご存知と思います。
地図上には三角の記号で記されていて、緯度・経度の基準となる位置を示すものです。
主に見通しの良い場所や山の頂などに設置され、十字が刻み込まれた石が埋められています。

その三角点を設置して、地図の精度を上げるのが陸地測量部の仕事であり、三角点設定の
記録書類を「点の記」と言います。そしてこの映画は未踏の劔岳に登頂する仕事の物語です。

冒険として登山をする日本山岳会に対して、仕事として山に挑む陸地測量部ですから
どうしても、陸地測量部を応援したくなりますね。装備にしてもヨーロッパから輸入した
最新設備を見せびらかすような日本山岳会のメンバーの態度には、コノヤローと
思えました。まぁそれが映画としての狙いだったでしょうね。

実はワタシは仕事として測量の経験がありますので、平板を使った測量のシーンは
懐かしく思えました。平らなところでも測量というのは気を使う作業ですが、あんな
山の上での作業はタイヘンだろうな。雨に濡れると図面はダメになりますし、機材も
濡らしたくないですから、雨中のテントで必死に守っている姿にグッときました。

いったいどうやって撮影したのだろうかと思えるシーンがいくつもありました。
険しい稜線に撮影機材を据えて撮っているのだろうなとは思いますが、カメラマンも
命がけだろうなと思うと、画面から目が離せませんでした。そして、山々の美しい風景。
うわぁ~と声が出そうな見事な映像は最高でした。これは大スクリーンでこそ
見る価値のある映像と思います。

ラストシーンへの展開にはびっくりでしたが、命をかけた男の仕事として
測量作業を見せてくれた彼らの姿に、熱くなったワタシです。

仙台フィルハーモニー管弦楽団による重厚な演奏は、画面をひき締めていて
過度に盛り上げずに落ち着きがあり良かったと思います。
男っぽさが溢れている映画でしたが、柴崎芳太郎の妻、葉津よ役を演じた宮崎あおいさんが
可愛くて、ちょっとほっとする感じでした。

それにしても、日本にはまだまだ人を寄せ付けないような厳しい場所があるのですね。
しかしそこには美しい景色があるということを、改めて感じました。





劔岳 点の記 - goo 映画

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