TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

犬の社会化

2006-09-16 04:48:51 | インポート
ビギナー・クラスを見学していて「言ってることとやってることが違うじゃん」と思った。

オリエンテーションでもテキストでも、かなりの容量をかけて「早い時期から
犬を様々な環境や人、犬に慣れさせ、社会化に努力しましょう」みたいなこと
を言っている。まあ確かにそれは大切だろう。

しかし、実際にクラスでは犬同士の間隔は最低5フィートは空けなければならず、
犬同士の接触は厳禁とされている。ちょっとでも犬同士が触れそうになると、
リードを引いて離れさせる。「犬は常に飼い主に注目してなければならない」
からだそうだ。それではどこで「社会化」するのかというと、「犬連れで
入れるペットショップや公園」だそうだ。

吹き出しそうになるのを止めるのに苦労したよ。
クラスで社会化の練習ができなかったら、外でうまくできるわけがない。
訓練クラスは外の刺激物から隔離され、見慣れた人や犬だけで構成されている
から犬同士慣れさせるのに絶好だ。トレーナーだって何人も見ているから、
諍いが始まった場合でもすぐに対処できるはず。犬が同種であるよその犬に興味を
持つのは全く自然なことで、接触すること自体を止めるほうが不自然だ。
犬に「正しいご挨拶の仕方」を学習させ、それから飼い主に注目するよう教え
ればよいのだ。

クラスの中で犬同士の接触が厳禁なのは、明らかに訓練センター側の都合だ。
諍いなど何かあった場合、飼い主から損害賠償を請求されるのを防ぐためだ。
トレーナーが、そういったケースを未然に防止する自信がないのだ。

従って生徒たちは、高いお金を払ってクラスでは「お座り」などのコマンドを
習うだけで(こんなの家でもできるのに)、最も大事な社会化の実践については
会得する機会がなく終わる。そして「うちの子、クラスに通ったのにダメ」と
なげくのである。トレーナーは「テキストにも書いてあるでしょう、社会化が
大事だって。公園などに連れてって練習しましたか?」とつき返せば済む。

このようにして、犬ビジネスは展開し、金を産んでいく。
気の毒なのは、無垢で愛犬のためを思ってお金を払う犬飼い初心者である。
でもいずれ彼らも、真実を見極める力を身につけ、私のようにスレた犬飼いに
なるのでしょう(爆)


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