たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

聖地オブ聖地

2020-10-16 09:12:04 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.47 *****

新田神社、幣立神宮、阿蘇神社、

石鎚山、大麻比古神社、高野山、

紀三井寺、日前宮、伊太祁曽神社、

丹生都比売神社、天河大弁財天社、

伊勢神宮、豊川稲荷、諏訪大社、

分杭峠(ゼロ磁場)、砥鹿神社、

香取神宮、鹿島神宮……、

ざっと調べただけでも、中央構造線上には

これほどの数の「聖地」が点在しております。

 

もう少し規模の小さな神社仏閣を合わせると、

さらに数が増えるはずですが、いかんせん

国土全体がパワースポットである日本ゆえ、

中央構造線という巨大ベルトの上に

「聖地」が重なるのは、

ごく自然な現象とも考えられるでしょう。

よって、この中から誰もが納得する

限られた聖地を絞りこむべく、

まずはいくつかの条件を

設定してみることにしました。

 

1.創始年代が近年のためお寺は除外

2.山岳および峠は範囲が広いので除外

3.中央構造線から距離のある神社は除外

4.一の宮やそれに匹敵する規模の神社を優先

5.近隣に一の宮が複数ある場合は、

より中央構造線上に近い神社を優先

 

となると、阿蘇神社、大麻比古神社、

日前宮、伊勢神宮、諏訪大社、

鹿島神宮あたりが、中央構造線上の

「聖地オブ聖地」と言えるかもしれません。


様々な特別視

2020-10-15 09:10:09 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.46 *****

「中央構造線・聖地」などの

キーワードで検索しますと、

想像以上にたくさんのサイトがヒットし、

それぞれの調査を元に導き出した

「神社・仏閣・パワースポット」が、

見事なラインを描き出している様子を目にします。

ただし、先日の記事でも触れたように、

日本全国にあまた点在する「聖地」が、

中央構造線のみに密集しているかと

言われればそうでもなく、そのほとんどが

「後付け」とされても反論できない

ような配置であることもまた事実です。

 

もしかすると、中央構造線を特別視するあまり、

他のエリアとの比較を怠ったり、

本来加えなくても良いスポットまで

「聖地」としてカウントしたり……といった具合に、

独自の見解に偏っているケースもあるのでしょう。

だとすれば、「誰が見ても」中央構造線と重なり、

「誰にとっても」聖地と認められる場所とは、

いったいどのような場所なのか……、

あくまでも独自の見解(笑)

ではありますが調べてみたいと思います。


巨大な長物の塊

2020-10-14 09:09:00 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.45 *****

地震を引き起こす生き物と聞いて、

最初に思い浮かぶのが「ナマズ」かもしれません。

「地震鎮めの石」として知られる鹿島・香取神宮の要石も、

「ナマズの頭と尻尾」を抑えていると言われますし、

それらの話を元に描かれたと思われる「地震の鯰絵」も、

地震に関する伝承を調べる中でよく目にする図案です。

 

ただし、地震と言えばナマズという説が

主流になったのは江戸時代の頃からで、

もともとは日本列島の下に横たわる「龍」、

あるいは日本列島を取り囲む「地震虫」が、

地震を起こすと考えられていたのだそう……。

その証拠に、鹿島・香取の要石と

地震との関連を示したある文献には、

ナマズではなく龍が描かれているという話もあります。

 

恐らく、昔の人々の目には大地から噴き出るエネルギー、

あるいは地下深くでうごめくエネルギーが、

「長物」や「塊」のように見えたのでしょう。

中央構造線という大断層は、それらの形象が転写した

「巨大な長物の塊」だったのかもしれません。


神話と自然災害

2020-10-13 09:04:40 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.44 *****

記紀を始めとする「日本神話」の中には、

古代の日本で起こった「自然の驚異」を

象徴的に描写している物語が多々あります。

例えば、出雲神話のヤマタノオロチの話は、

火山噴火により溶岩流が流れ出した様子である、

あるいは天照太御神が天の岩戸に隠れた話は、

火山の噴煙や降灰により天地が

暗闇に包まれた比喩である……等々、

特にスサノオが関わる神話の多くは、

自然災害を彷彿とさせる内容も少なくありません。

 

また、母であるイザナミの死

(火の神・カグツチを生んだことが発端)

を嘆くあまり、地上を荒廃させたスサノオが、

天照太御神の元へ別れの挨拶に向かう際に、

「海は轟きわたり山も鳴りひびいた」

というストーリーがありますが、

それらの話はまさしく「噴火」と「地震」

の連鎖を表した内容でもあるのでしょう。

 

ちなみにその後、スサノオは「根の国」に向かい

冥界の王となり、後に娘婿となる大国主神に

「天の沼琴」という武器を手渡します。

もしかすると、この「天の沼琴」こそ、

根の国で地震を引き起こす際に使用した

「呪具」だったとも考えられますね。


特殊な現象

2020-10-12 09:00:51 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.43 *****

昨日、首都圏を通る中央構造線の地下に

巨大な蛇紋岩が存在し、首都直下地震を

抑えているのではないかと記しましたが、

同じように沖縄周辺にも、境界深部に軟らかい

蛇紋岩が存在するためひずみが蓄積しにくく、

プレート境界型巨大地震の発生を

抑制していると考えられるのだそうです。

 

もし、中央構造線に蛇紋岩および

花崗岩が深く関わっているなら、

花崗岩が地震の前兆現象を起こして災害を知らせ、

蛇紋岩が地震のエネルギーを吸収して揺れを抑える、

といった流れが出来上がっていたのかもしれません。

古代の人々は、これらの仕組みを無意識に感知し、

中央構造線という巨大ベルトに対する

意識を高めて行ったのでしょう。

 

いずれにせよ、中央構造線の北側と南側とでは、

はっきりとした地質の違いが見られるわけで、

これらの異なる地層がせめぎ合う過程において、

この地にしか出現しない「何らかの現象」

が発生していた可能性は大です。

もしかすると、伊勢神宮のお白石も、

中央構造線上のみで生み出される

「特殊な石」だったのかもしれません。


蛇紋岩と首都

2020-10-11 09:04:44 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.42 *****

昨日、中央構造線の内帯に広く分布する花崗岩が、

人体に与える影響について話題にしました。

一方で、中央構造線の外帯に多く見られる

「蛇紋岩(じゃもんがん)」については、

どのような性質が見られるのかを調べてみましょう。

 

ちなみに、中央構造線の南側のエリアには、

「際立った蛇紋岩の分布は見られない」

というデータがあることは、

先日の記事内で簡単に触れました。

ゆえに、「中央構造線の外帯=蛇紋岩」

とは言い切れない部分もあるのですが、

ひとつの可能性として「蛇紋岩」と

中央構造線との関わりを追ってみたところ、

非常に興味を引かれるネタに遭遇した次第です。

 

実は、蛇紋岩は「地震のエネルギーを吸収している」

可能性があるそうで、関東平野における中央構造線の

地下25キロから40キロ深くにある蛇紋岩の大岩塊が、

太平洋プレートの圧力を緩和しているとのこと。

つまり、首都直下地震を防いでいるのは、

東京首都圏のプレートの境目に存在する、

蛇紋岩なのではないかという推論が成り立つのですね

(関東大震災は陸地でなく相模湾海底が震源地です)。


変性作用

2020-10-10 09:01:53 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.41 *****

一説に、花崗岩という鉱物は、

人体の脳に影響を与えるという話があります。

何でも、花崗岩に含まれる磁鉄鉱

という物質が脳に変性作用を及ぼし、

幻影を見やすくなったり、

不思議な閃きがあったり……といった具合に、

いわば麻薬にも似た効果をもたらすとのこと。

エジプトのピラミッド内部に納められた石棺も、

わざわざ別の場所から花崗岩を

持ち込んで制作されたそうです。

 

また、花崗岩の中に含まれる石英という成分は、

電磁波を伝える役目を果たし、

地震雲や前兆現象を発生させるだけでなく、

地震前の動物の異常行動をも引き起こすのだとか……。

つまり、花崗岩が幅広く分布する中央構造線上は、

「地震の予兆を示す特異な現象」が

見られやすいと捉えることもできますね。

 

ちなみに、「石英」という言葉を聞いて思い出すのは、

以前の記事内でもご紹介した

伊勢神宮の「お白石」かもしれません。

神宮のご正殿周りに敷かれた白い石は、

実は宮川や吉野川など中央構造線上にある

河川の「石英系の白石」と決められており、

にわかに中央構造線と伊勢神宮とのつながりが

クローズアップされてくるのでした。


花崗岩と蛇紋岩

2020-10-09 09:56:32 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.40 *****

中央構造線を境に、中央構造線を境に

北側(ユーラシア大陸側)を「内帯」、

南側(太平洋の海溝側)を「外帯」と呼びます。

「内帯(ないたい)」は領家変成帯、

「外帯(がいたい)」には三波川変成帯が形成され、

それぞれが異なる地質を持っており、

中央構造線の内帯側には、

約1000キロにわたって「花崗岩(かこうがん)」、

中央構造線の外帯には「蛇紋岩(じゃもんがん)」

が多く含まれるとのことです。

まずは、それぞれの特徴を簡単に記してみましょう。

 

【花崗岩】 石英と長石が主成分。

他に10%程度の有色鉱物(黒雲母等)を含み、

全体的に白っぽく見える。

また、磁鉄鉱という物質が入るものと、

チタン鉄鉱が入るものがある。

*中央構造線の北側にあるのは、

チタン鉄鉱系列の花崗岩で磁性は強くないという説もあり

 

【蛇紋岩】 岩石の表面に蛇のような紋様が見られ、

地質的に脆弱な地質構造線や断層構造に沿って広く分布する。

含水鉱物であるため風化作用を受けやすく、

もろくて崩れやすい性質がある。

*中央構造線の南側に蛇紋岩は少ないというデータもあり


地質学的な境界

2020-10-08 09:51:20 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.39 *****

本来、中央構造線は「地質学的な境界」を示す名称ですが、

その中には、近畿南部から四国までの約360kmにわたる、

活動度の高い活断層(中央構造線断層帯)が含まれており、

それらの活断層のみを指して「中央構造線」

と呼ぶこともあるそうです。

 

さらに近年の調査によりますと、

大分県の別府湾や由布市周辺の活断層についても、

この活動度の高い断層帯の一部と認定され、

また、地質境界としての中央構造線と、

地表にその活動の痕跡を残す活断層たる中央構造線とは、

必ずしも位置が一致しない場合もあるのだとか……。

つまり、中央構造線の正確な姿は、

未だに判明していないというわけですね。

【引用~Wikipedia中央構造線・中央構造線断層帯】

 

ゆえに、これのブログの中での「中央構造線」とは、

九州から鹿島灘にかけて伸びる断層全体を示すと同時に、

中央構造線の近辺に関しても

幅広く考察の対象にすることといたします。

*「地質・岩盤」などに関する話題については、

あくまでも素人の知識と見解を元に推察した内容ですので、

ご了承の上お読みいただければ幸いです

 


地磁気の異常

2020-10-07 09:46:02 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.38 *****

昨日、「中央構造線の突出した性質を示す

データはない」という話をご紹介いたしましたが、

その証拠のひとつとしてあげられるのが、

「地磁気の異常」を示すグラフです。

 

まあ、地磁気の異常と言いましても、

正確には平均的な地球磁場の値とのズレを表したもので、

地下に存在する鉱物などに反応して変化するこの数値は、

富士山を含む伊豆諸島の火山帯や阿蘇山の周辺、

あるいは山陰地方といった、磁性の強い鉱物が

多く含まれる地域で、プラスに傾きやすいのだとか

(逆にマイナス値が出るエリアもあり)……。

 

富士山や阿蘇山とともに山陰が加わっているのが、

別の意味で興味深いところではあるものの、

確認してみたところ、確かに九州以外の

中央構造線上には目立った特異性は見られず、

データ上では人間が感知できるほどの

「磁気」は噴出していない風にも思えます。

 

とは言え、日本屈指の大断層帯である中央構造線を、

「ただの大きな断層」と片づけてしまうのも、

日本に住む人間としては何だか

心残りのような気がするもの。

ゆえに、それらの情報を頭の中に入れつつ、

別の角度から中央構造線と聖地との関わりについて、

調べを進めてみることにしましょう。


選ばれた地

2020-10-06 09:34:52 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.37 *****

中央構造線と神社(聖地)の濃密な関係については、

多くの人たちの指摘するところではありますが、

実は「中央構造線上にある神社の数は、

他の地域と比べてもさほど多くない」

というデータが存在することをご存知でしょうか……。

 

何でも全国の神社仏閣の分布と

中央構造線とを重ね合わせてみると、

巷で言われるほど聖地が密集している様子は見られず、

単純に数だけを比較すれば、過去に都が置かれていた

京都・奈良・鎌倉などのほうが圧倒的に優位とのこと。

さらには、地磁気の異常(地球磁場の平均値とのズレ)

を示すグラフでも、中央構造線の近辺はごく平均に近く、

特出した地磁気の異常は読み取れないとも聞きます。

 

つまり、これらの説を元にするなら、

中央構造線という大断層帯は、他とは一線を画す

「選ばれた地」ではなかったばかりか、

「パワースポット」とも呼べないことになりますね。


特殊な霊性

2020-10-05 09:29:49 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.36 *****

古代の人々、特に縄文人について論じる際、

「文明を持たない未開人」といった

イメージで語られることが多々あります。

ただし、縄文人が残した多くの「作品」に触れますと、

彼らは現代人が思うような「原始的な人間」ではなく、

特殊な霊性を保持するある種の

「超人」であった可能性が読み取れるわけで、

例えば大地から噴き出るエネルギーを感知することや、

祭祀場にふさわしい聖地を見分けることなど

お手の物だったのかもしれません。

 

恐らくは、中央構造線という国土の

西半分を貫く大断層の存在はもちろん、

それらが引き起こす有形無形の様々な現象も、

当たり前のように認識していたはずです。

まあ、それらのことを踏まえれば、

縄文の人々が断層の上に施した

「何らかの仕掛け」が、現代の神社の創建へと

つながったことは容易に想像できますが、

そう簡単に結論付けてしまうのも何なので、

もう一歩踏み込んだ形で古代人と断層との

関わりについて考察してみることにしましょう。


中央構造線

2020-10-04 09:25:52 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.35 *****

全長1000キロメートル以上に及ぶ中央構造線は、

九州から関東にかけての大地を貫く大断層帯です。

一般的に中央構造線のルートは、熊本付近から

四国の瀬戸内側を経て紀伊半島を横断し、

伊勢湾を横切って天竜川に沿って北上。

そして、長野県諏訪湖付近で

フォッサマグナにぶつかった後は、

進路を東南に変えて鹿島灘のあたり

まで到達していると言われます。

 

正確な位置等は未解明の部分もあるそうですが、

言えるのは「この大断層が動くと連鎖的に

地震を引き起こす恐れあり」ということで、

2016年に中央構造線の西南端である熊本で

震度7の地震が発生した直後には、

連鎖反応とも思われる中小規模の地震が

中央構造線上のあちこちに飛び火しました。

 

また、近い将来に発生するであろう

南海トラフ地震や東海地震、

あるいは首都直下地震などとの関連も

噂されており、中央構造線の動向次第では、

東京・名古屋・大阪などの三大都市圏に

甚大な影響が出る可能性が高いのです。

 

過去の歴史でも、中央構造線が関連した

と思われる地震が多数発生していることから、

恐らくは古代日本人にとっても中央構造線の存在は、

決して無視できない「脅威」だったのでしょう。


隠された仕掛け

2020-10-03 09:22:23 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.34 *****

以前、伊勢神宮と三陸の神社をモデルに、

「神社と災害」との関係をお話ししましたが、

実は全国の「一の宮」と呼ばれる神社も、

災害を意識して建てられたのでは

ないかという話がございます。

特に、九州から関東へとつながる

大断層「中央構造線」上には、

一の宮の中でもとりわけ古い歴史を持つ

古社が連立し、ある種の「レイライン」を

形成していることをご存知でしょうか……。

 

ちなみに、中央構造線上にある

代表的な一の宮を南から羅列しますと、

阿蘇神社、大麻比古神社、

日前神宮・國懸神宮、

伊勢神宮(*例外的に列挙)、

諏訪大社、鹿島神宮……など、

それ以外にも名称を挙げれば切りがないほど、

多数の神社仏閣や霊山が存在するのです。

 

まあ、国土全体がパワースポットである

日本ですから、鎮座した場所がたまたま

中央構造線の上だった可能性もありますが、

先ほど例に挙げた一の宮について

思いを巡らせてみますと、やはりそこには

単なる「偶然」のひと言では片づけられない、

「隠された仕掛け」が見え隠れするのでした。


一の宮の成り立ち

2020-10-02 09:16:15 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.33 *****

1国につき1社を基本とする「一の宮」ですが、

地方国によっては2社あるいは、

3社、4社といった具合に、

複数の一の宮を抱えている地域もございます。

また、一の宮に次ぐ社格を持つ二の宮や三の宮と、

順位が入れ替わった時期があったり、

複数の神社間で比定地論争が勃発していたり、

神社独自で「我こそは一の宮」

との名乗りを上げていたり……

といった具合に、未だに複雑な様相を

見せているのが一の宮という存在なのです。

 

さらに、熊野三山(本宮・新宮・那智)

を始めとする著名神社は外される一方で、

一般的には無名の神社が選ばれるなど、

その成り立ちにおいては、

様々な経緯があったと推測されるわけですが、

気になるのは、一の宮に比定された神社の多くが、

地方国の政治的な中心である国府とは

無関係のエリアに鎮座しているということです。

そして、これらの神社に、

「一」という最も高い位を与えた

(お役所側が容認した)意味を、

ついつい勘ぐってしまいたくなるのでした。