***** 神社と災害 No.53 *****
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昔々、四国の一帯には、タヌキとキツネがたくさん
住んでいました。タヌキとキツネは仲が悪く、
いつもケンカやもめ事が絶えません。
特に、ずる賢かったキツネは、
タヌキを追い回すだけでなく、
里人や往来の旅人に悪さをするなどして、
大変迷惑をかけていたのです。
思い余った里の人たちは、弘法大師に相談しました。
お大師さんは、四国中のタヌキとキツネを集めて、
「キツネは本州に、タヌキは四国に住み分け、
瀬戸内海に鉄の橋ができるまで、
決して四国に帰って来てはなりません」
とキツネを四国から追い出しました。
その後、四国ではタヌキが幅を利かせるようになり、
タヌキの話が各所に残るようになったといいます。
~四国アラカルト①を参考
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四国と中央構造線との関連を想像するたびに、
なぜか思い浮かぶのがこの空海の伝説です。
「四国に鉄の橋が渡されて本土とつながるとき、
追い出されたキツネが戻って来るだろう」
という謎の文言を残した空海は、
四国に八十八カ所の札所を設けただけでなく、
長い時間をかけて中央構造線上を
くまなく歩きまわったとも言われております。