たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

地元民の崇敬

2020-10-01 09:07:29 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.32 *****

数年前に「一の宮(いちのみや)巡り」

が一部の人々の間でブームとなり、

「一の宮」に関する本も多数出版されましたが、

一宮・一の宮・一之宮とは、その地域の中で

最も高い社格を持つ神社を指します。

 

一説にこれらの制度は、11世紀から12世紀

(平安時代から鎌倉時代初期)にかけて

成立したとされ、基本的には令制国の1国

につき1社が割り当てられたとのこと。

ただし、朝廷や国司からの強制ではなく、

あくまでも地元民の厚い崇敬を受け

「自然発生的に」生まれたもので、

幣帛が奉献される(政府のお墨付きがつく)

ようになるのは後年になってからだと聞きます。

 

つまり、お役所側が自らの傘下にある神社を選んだり、

各国を管理するために創建したりしたというより、

「民衆側の意見」が優先されたわけですね。

ゆえに、一の宮の多くは地域で

最も古い由緒を持つ古社であることが多く、

その中には創建の時期さえはっきりしない神社も

少なからず含まれていたのでした。

 

【このシリーズの参考書籍】

● 縄文の神が息づく一宮の秘密 戸矢学
● 雑誌ムー 2017年4月号・11月号
● 日本の地名 谷川健一

 

【このシリーズの参考サイト】

● 霧立越
● 日本とユダヤのハーモニー
 ● 神奈備
● 玄松子
● 戸原のトップページ
● 古代史俯瞰 by tokyoblog