***** 神社と災害 No.32 *****
数年前に「一の宮(いちのみや)巡り」
が一部の人々の間でブームとなり、
「一の宮」に関する本も多数出版されましたが、
一宮・一の宮・一之宮とは、その地域の中で
最も高い社格を持つ神社を指します。
一説にこれらの制度は、11世紀から12世紀
(平安時代から鎌倉時代初期)にかけて
成立したとされ、基本的には令制国の1国
につき1社が割り当てられたとのこと。
ただし、朝廷や国司からの強制ではなく、
あくまでも地元民の厚い崇敬を受け
「自然発生的に」生まれたもので、
幣帛が奉献される(政府のお墨付きがつく)
ようになるのは後年になってからだと聞きます。
つまり、お役所側が自らの傘下にある神社を選んだり、
各国を管理するために創建したりしたというより、
「民衆側の意見」が優先されたわけですね。
ゆえに、一の宮の多くは地域で
最も古い由緒を持つ古社であることが多く、
その中には創建の時期さえはっきりしない神社も
少なからず含まれていたのでした。
【このシリーズの参考書籍】
● 縄文の神が息づく一宮の秘密 戸矢学
● 雑誌ムー 2017年4月号・11月号
● 日本の地名 谷川健一
【このシリーズの参考サイト】
● 霧立越
● 日本とユダヤのハーモニー
● 神奈備
● 玄松子
● 戸原のトップページ
● 古代史俯瞰 by tokyoblog