たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

巨大な長物の塊

2020-10-14 09:09:00 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.45 *****

地震を引き起こす生き物と聞いて、

最初に思い浮かぶのが「ナマズ」かもしれません。

「地震鎮めの石」として知られる鹿島・香取神宮の要石も、

「ナマズの頭と尻尾」を抑えていると言われますし、

それらの話を元に描かれたと思われる「地震の鯰絵」も、

地震に関する伝承を調べる中でよく目にする図案です。

 

ただし、地震と言えばナマズという説が

主流になったのは江戸時代の頃からで、

もともとは日本列島の下に横たわる「龍」、

あるいは日本列島を取り囲む「地震虫」が、

地震を起こすと考えられていたのだそう……。

その証拠に、鹿島・香取の要石と

地震との関連を示したある文献には、

ナマズではなく龍が描かれているという話もあります。

 

恐らく、昔の人々の目には大地から噴き出るエネルギー、

あるいは地下深くでうごめくエネルギーが、

「長物」や「塊」のように見えたのでしょう。

中央構造線という大断層は、それらの形象が転写した

「巨大な長物の塊」だったのかもしれません。