***** 神社と災害 No.44 *****
記紀を始めとする「日本神話」の中には、
古代の日本で起こった「自然の驚異」を
象徴的に描写している物語が多々あります。
例えば、出雲神話のヤマタノオロチの話は、
火山噴火により溶岩流が流れ出した様子である、
あるいは天照太御神が天の岩戸に隠れた話は、
火山の噴煙や降灰により天地が
暗闇に包まれた比喩である……等々、
特にスサノオが関わる神話の多くは、
自然災害を彷彿とさせる内容も少なくありません。
また、母であるイザナミの死
(火の神・カグツチを生んだことが発端)
を嘆くあまり、地上を荒廃させたスサノオが、
天照太御神の元へ別れの挨拶に向かう際に、
「海は轟きわたり山も鳴りひびいた」
というストーリーがありますが、
それらの話はまさしく「噴火」と「地震」
の連鎖を表した内容でもあるのでしょう。
ちなみにその後、スサノオは「根の国」に向かい
冥界の王となり、後に娘婿となる大国主神に
「天の沼琴」という武器を手渡します。
もしかすると、この「天の沼琴」こそ、
根の国で地震を引き起こす際に使用した
「呪具」だったとも考えられますね。