<木次・八口神社 やぐちじんじゃ>
雲南市木次町の山中に鎮座する八口神社は、
通称「印瀬の壺神」とも呼ばれる
ヤマタノオロチゆかりの伝承地です。
何でも、スサノオがクシナダヒメを救うために、
アシナヅチ・テナヅチに用意させた
「八つの酒壺」のひとつが埋められているそうで、
境内の一角に設えられた玉垣の中には、
「酒壺」との謂れが残る石が祀られていました。
ちなみに、近辺には八口と名の付く神社がもう一社あり、
そちらの八口神社もヤマタノオロチ伝説が残る場所です。
「八口」という名称は「オロチの八つの口」を連想させますし、
また、古事記に記される「高志のヤマタノオロチ」が、
「出雲市の古志」という地名を指していると仮定すれば、
この付近にオロチが住んでいたとも想像できますね。
もしかすると、ヤマタノオロチと称される存在は、
越の国ではなく出雲にいた「何か(誰か)」
だった可能性もあるのでしょうか……。