たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

アラハバキ

2019-03-18 09:03:30 | 出雲の神社

<大宮・氷川神社 ひかわじんじゃ>

 

もともと武蔵国の氷川神社に祀られていた、

アラハバキという土着の神は、

いつの頃からか、他所から来た神を意味する

「客人神(まろうどがみ)」という扱いになりました。

この理由は、出雲から来たスサノオ(本来の客人)を

氷川神社の主祭神として据えるべく、

「アラハバキの立場を下げたから」

という説が有力視されていますが、

果たして本当に氷川神社のご祭神は、

スサノオに乗っ取られてしまったのでしょうか……。

 

ちなみに「客人神」は、能登の記事の中でも取り上げた

「来訪神」と同じカテゴリーで語られることが多く、

神社に祀られる場合は、主祭神よりやや低い地位に置かれ、

主祭神との関係も明らかでないケースがほとんどです。

客人信仰をひと言で説明するのは難しいものの、

一説に、客人神や来訪神など「常世の神々」の正体は、

実は土地の祖先(祖霊)だったと言う話もあります。

つまり、アラハバキが主祭神から降格し、

「客人神」と呼ばれるようになったことで、

逆にアラハバキがこの土地の祖霊であるという事実が、

証明される結果になったとも言えるのですね。