たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

隼人の一族

2019-03-04 09:57:54 | 出雲の神社

<桜島>

 

「隼人」と呼ばれる人々は、

もともと鹿児島など南九州一帯に

居住していた日本の先住民族であり、

インドネシア系南方文化の影響を受けた、

海人族の一派だったとも言われています。

 

のちに「八幡神」と称する新羅系渡来人の襲来など、

幾多の争いの歴史に巻き込まれたことにより、

その多くが殺害されてしまったと聞きますが、

残った者たちは、大和族(天孫族)への

忠誠を誓うことで血統を保ち、

宮中に仕えて警護などの役職を担ったり、

舞や相撲などの芸事に従事したりして、

自らの家系を継続させたようです。

 

また当時は、先住民族と渡来人との間だけでなく、

百済系渡来人と新羅系渡来人との間にも、

深い因縁を残す出来事が繰り返されたため、

隼人をはじめとする先住民族の人々も、

それらのイザコザに翻弄され、

敵と味方に分かれることも多かったのでしょう。

 

恐らく、隼人の一大居住地である南九州の一帯に、

「百済王」の伝説が残っていることなどを考えれば、

隼人の一部は百済側と結びついていたのかもしれません。

だとすると、百済の文化に馴染んだ奥出雲の人々が、

新羅寄りの「播磨の金屋子神」が持ち込んだ祭祀を避け、

「みかん」を供物から排除した背景も見えてきますね。