たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

草枕

2019-03-21 09:12:31 | 出雲の神社

<加茂・八口神社 やぐちじんじゃ>

 

先日ご紹介した、雲南市木次町の山中に鎮座する

八口神社(通称:印瀬の壺神)の他にも、

「八口」と名の付く神社が雲南市加茂町にありました。

木次町の八口神社と同様に、

こちらもヤマタノオロチ伝説を残す場所でして、

神社には「強い酒に酔って苦しんで寝ていたオロチに、

スサノオが矢を放った」という話が伝えられています。

古くは、「矢口社」と記していたとも聞きますから、

かなり昔から「矢」の言い伝えは存在していたのでしょう。

 

ちなみに、オロチが酔って寝ていた「草枕」と呼ばれる山は、

八口神社の境内からほぼ西の方角にあったと聞きますが、

治水工事などにより、山の形は変わってしまったのだとか。

そんな、今はなき「草枕」の方向を眺めていて気付いたのは、

山の向こうに「出雲の古志」があるということでした。

越のオロチが酔って寝ていたとされる草枕の方角に、

「古志」と名の付く場所があるということは、

「出雲の国で起こったオロチ退治」が、ただの昔話では

なかったことを伝える重要な痕跡となるのかもしれません。