たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

碑の社

2019-03-14 09:45:26 | 出雲の神社

<雲南市・八本杉>

 

オロチ伝説が伝えられる斐伊神社の八本杉は、

過去の洪水により土砂で埋まるなどした結果、

これまでに何度か植え替えられているのだそうです。

いくつかの川が合流する斐伊神社の一帯は、

古くから水害に悩まされたエリアだったのでしょう。

この地でスサノオが詠んだとされる

「我たのむ 人を恵みの 杉植えて 八重垣かこみ 守る末の代」

の「八重垣」も、もしかすると水害を防ぐための生垣であり、

八本杉という「碑」だったのかもしれません。

 

ちなみに、斐伊神社の旧社名「樋社(ひのやしろ)」の樋は、

砂と鉄とを分けるための「とい」を指す言葉だと聞きますが、

樋を「碑」と置き換えてみると、少々印象が変わりそうです。

恐らく、八重垣(八本杉)とはある種の「墓碑」であり、

過去に水害から村を守るために捧げられた人たち、

あるいはオロチ(鉄)との戦いで犠牲になった人たちを弔う

「碑」だった可能性もあるのではないでしょうか……。