たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

犠牲を示す色

2019-03-08 09:24:08 | 出雲の神社

<温泉神社 おんせんんじんじゃ>

 

稲田神社のある奥出雲町から、

雲南市方面に向けて車を走らせて行きますと、

クシナダヒメの親神であるアシナヅチ・テナヅチを

ご祭神とする温泉神社が鎮座していました。

もともとは、万歳山の中腹にあった

二神岩(ふたごいわ)をこの地に遷したことが、

こちらの神社の起源と言われており、

クシナダヒメたちは万歳山に駈けのぼって、

オロチの襲撃から身を隠したそうです。

 

またこの一帯は、ヤマタノオロチの棲み処とされる、

天が淵(あまがふち)という

歴史スポットがあることでも知られていますが、

何でも、この天が淵の砂岩が赤みを帯びているのは、

スサノオがオロチを追い出す為に、

万歳山から鉄を流し込んだためなのだとか。

斐伊川の赤茶けた川底の色は、

この地の「鉄」をめぐる幾多の争いによって流された、

多くの犠牲を示す色なのかもしれません。