たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

斐伊神社

2019-03-12 09:41:21 | 出雲の神社

<斐伊神社 ひいじんじゃ>

 

出雲に伝わる神話と聞きますと、

『古事記』『日本書紀』『出雲国風土記』

などに記載された物語を思い浮かべますが、

実は、それ以外にも出雲では、「民間伝承」

とでも呼ぶべき「昔話」が数多く残されています。

こちらの斐伊神社にも、そんな独自の物語が存在し、

「スサノオがヤマタノオロチを退治した後、

再び蘇らないようオロチの頭を埋めた」

という話が言い伝えられていました。

 

ちなみに、そのときスサノオが詠んだのが、

「我たのむ 人を恵みの 杉植えて 八重垣かこみ 守る末の代」

という和歌だそうですが、「八雲立つ……」の歌に比べると、

どことなく語感が現代風のようにも感じられますね。

恐らく、記紀の時代から現在までの間に、

出雲の一帯では様々なスサノオ伝説が生まれ、

地域色の強い逸話として残されたのでしょう。

逆に言えば、それだけ「スサノオ」という神が、

出雲の人々の「心の支柱」であったことを、

これらの昔話が示しているのかもしれません。