たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

橘の神紋

2019-02-19 09:15:10 | 出雲の神社

<金屋子神社 かなやごじんじゃ>

 

「常世」「みかん(橘)」という単語から、

連想ゲームのように頭に浮かんできたのは、

皇極天皇の時代に「常世神」への信仰を説いた、

大生部多(おおふべのおお)という人物でした。

大生部多は、のちに邪教を広めた罪により、

秦河勝(はたのかわかつ)により征伐されますが、

彼が「常世神」という名で崇めていたのは、

みかん(橘)の葉を食す毛虫(幼虫)です。

田道間守の逸話を元に考えると、大生部多が信仰した

みかん(橘)の葉を食べる「常世の虫」とは、

「新羅の神」だった可能性もありますね。

 

ちなみに、金屋子神社の古い神紋は、

藤原氏由来の「下り藤」ではなく、

「菱井桁に橘」という図案なのだとか。

みかんの伝承が神紋の「橘」に影響したのか、

逆に、神紋の図柄がみかんの伝承を

生み出したのかはわかりませんが、

みかん(橘)を好み、みかん(橘)の木によじ登り、

命を救われたとされる金屋子神の姿が、

「常世の虫」と重なって見えてくるのは、

少々行き過ぎた妄想でしょうか……。