たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

別部の犬

2019-02-08 09:03:49 | 出雲の神社

<和気神社 わけじんじゃ>

 

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山の四面に十二の谷がある。どの谷も鉄を産出する。

鉄の鉱脈を発見した人は、別部(わけべ)の犬である。

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『播磨国風土記』の中に記載された

この記述を読みますと、当時の播磨の山々が、

いかに「鉄」であふれていたかがわかります。

恐らく、ここで登場する「別部の犬」こそが、

のちに出雲へとやってきた金屋子神に関する、

有力なキーワードとなるのでしょう。

 

ちなみに「犬」という生き物は、その感覚の鋭さから、

山で働く人々の右腕となって働いてきた動物ですが、

ここで言う「犬」とは、砂鉄を求めて

山野を渡り歩く人たちの総称であり、

「タタラの民」を表している可能性が大です。

 

さらに、「別部」が何を指しているのかを調べて行くと、

「別部」という別名を持つ、和気清麻呂(の一族)

を示すのではないかという説が存在しました。

果たして、播磨国にいたタタラ集団とは、

和気氏と関連する人々だったのでしょうか……。