たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

笹の手助け

2019-02-26 09:24:20 | 出雲の神社

<中山神社 なかやまじんじゃ>

 

アニメ映画「もののけ姫」の舞台にもなった、

島根県雲南市・菅谷たたらの伝承の中に、

先日ご紹介した『金屋子神祭文』とは

少々異なる言い伝えがありました。

何でも、出雲タタラの始祖である金屋子神は、

吉備の中山から、村下1人とオナリ1人、

そしてお伴を2人連れて、

奥出雲へとやってきたのだそうです。

ところが金屋子神の一行が到着したとき、

四つ目の犬が吠えて襲いかかってきたため、

金屋子神は慌てて笹の中に身を隠したのだとか。

それ以来、タタラで働く人々は犬を嫌い、

笹を大事にするようになったと言います。

 

また、近隣の雲南市・阿用という地区には、

「片目の鬼が来て、農家の息子を食べた。

その時、父と母は竹藪の中に隠れた……」

という内容の昔話が残されていました。

一説に「オナリ」とは、15歳くらいの少女

(飯炊きの老婆という説もあり)を指し、

神様の食事を作っていたとのことですから、

恐らく巫女のような立場だったのでしょう。

「オナリ」と金屋子神とのつながりは、

それ以上調べることはできませんでしたが、

気になるのは、金屋子神も阿用の夫婦も、

「笹」に助けられたという点かもしれません。