たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

人身御供

2019-02-23 09:13:36 | 出雲の神社

<奥出雲町稲原>

 

古代より、土地の神を鎮め災いを防ぐために、

人身御供という儀式が行われてきました。

対象となったのは、主に子供や若い女性で、

現在、神社の特殊神事や民間習俗に残る

「動物の供物を捧げる」という儀式は、

人的犠牲の代替行為でもあります。

 

記紀のヤマタノオロチの物語の中にも、

のちにスサノオの妻となるクシナダヒメが、

人柱になりかけた経緯が描かれていますが、

神話の舞台が出雲に移ったタイミングで、

「人身御供」の伝承が登場するということは、

古くからこの風習が重要視されていた証なのでしょう。

 

恐らく、クシナダヒメとヤマタノオロチとの一件は、

「人身御供(人柱)」として犠牲になった、

イズモの女性たちを示すと同時に、

全国の「イズモ」と呼ばれた土地に、

人柱となった人々がたくさんいた事実を、

後世に残すために記された話なのかもしれません。