<和気神社 わけじんじゃ>
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山の四面に十二の谷がある。どの谷も鉄を産出する。
鉄の鉱脈を発見した人は、別部(わけべ)の犬である。
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『播磨国風土記』の中に記載された
この記述を読みますと、当時の播磨の山々が、
いかに「鉄」であふれていたかがわかります。
恐らく、ここで登場する「別部の犬」こそが、
のちに出雲へとやってきた金屋子神に関する、
有力なキーワードとなるのでしょう。
ちなみに「犬」という生き物は、その感覚の鋭さから、
山で働く人々の右腕となって働いてきた動物ですが、
ここで言う「犬」とは、砂鉄を求めて
山野を渡り歩く人たちの総称であり、
「タタラの民」を表している可能性が大です。
さらに、「別部」が何を指しているのかを調べて行くと、
「別部」という別名を持つ、和気清麻呂(の一族)
を示すのではないかという説が存在しました。
果たして、播磨国にいたタタラ集団とは、
和気氏と関連する人々だったのでしょうか……。