上越・町家暮らし

主に新潟県・上越市の自然、文化、風土、そして町家暮らしについて書いていきます

岩魚三昧 9月22日 最後の釣り

2022-09-25 08:50:00 | 渓流釣り

          開谷での釣りは釣果如何にかかわらず、晴々として心が躍るが

        魚影は濃いが隠れ里のような小沢、藪沢、細流での釣りを私は好まない。

                  谷の上空には雨の兆しが

 

 台風14号の来襲で「この増水では3日はダメだな」とキス釣りの師匠の弁。ここのところキス釣りも釣果も芳しくない。23日には帰らなければならない私は、残された日数に心穏やかでないのだが、14号は思っていたほど風も雨も残して行かなかったようだ。22日、予報では午前中は曇り、午後からは雨、とのことで私のテリトリーの中では比較的穏やかなホームグラウンドを覗きに出掛けた。

 今期最後の釣りとなるので、釣れなくとも自然をゆっくり味わい、のんびりと釣りがしたかったのだが、そうは行かないようだ。渓水をを見ると心は熱くなる。午後の雨足が来ないうちに谷を上がらなければ、濁りがすぐ出る上越の渓では、底石が見えず遡行が困難になるからだ。

 午後12時、渓に立ち、3・9mのテンカラ竿に、3号(シーガー)5mの道糸+ハリス1号(シーガー)60cm。合計5m60cm。6m弱のレベルラインをつなぎ、毛ばりを打つ。

私はこの方式のテンカラを飽きもせず45年以上やっているのだが、今持ってヘタクソである。この長いラインを飛ばすには小沢、藪沢は適していない。そのことは種沢の役目もしている小沢、細流、藪沢の魚が保護され、渓に魚が残ることになるのである。

 

                 立派な面構えの尺上のオス

 

 20分ほど竿を振るも、一度たりとも当たりがなかったポイントで9寸が来た。私はその一匹で充分だった。後はのんびりと雨足に注意しながら、遡行するだけだったが、雨が顔に当たる頃、ポイントごとに良型が出た。ほとんどが9寸前後である。そのうちちょっとしたポイントで尺上が出た。この日は一匹と思っていた釣行だが、蓋を開けてみれば遡行3時間で、尺上2匹を含む18匹であった。

     岩魚から鉤を外しているとき、気配を感じ振り返るとカモシカが私を見ていた。

 

 

 今年最後の渓遊びも、恙無く終えることができた。午後3時過ぎ、谷間に雲が湧き上がり雨足が強くなってきた頃、渓を後にした。 

 

     受け入れてくれた自然に感謝である。

 


荒ぶる海で 9月20日 台風14号

2022-09-24 12:36:07 | 港風景

 

高さ、20m〜30mの波濤

19日から今年最後の渓流釣りに出掛けたものの、今年は天気は大荒れ。なかなか天気に恵まれない。20日から雨が続き河川は大増水、泥水が流れ出ている。この状態では渓流釣りなどできるわけない。それでなくとも上越の川は少しの雨でも濁りが入り、遡行にも危険が伴うのだ。仕方なく海の撮影とばかりで糸魚川方面にハンドルを向けた。R8号線を走っていると、漁村の屋根越しに巨大な波濤が見えた。それは今まで体験したことのない巨大な波だった。

 

岩魚三昧 9月22日 最後の釣りに  続く


釣キチ親子7年振釣行 2 9月10日〜11

2022-09-19 07:42:04 | 渓流釣り

夜はお楽しみの焚火。

 人数分の3匹キープし、遠火で時間をかけじっくり焼き上げる。これも7年振。谷泊まりの時だけ自然の恵に感謝し、辛い遡行のご褒美に岩魚を頂く。今年も百匹以上は釣っている私も、食べるのは今年初で、最後だろう。

お誂え向きの流木ベンチと豊富な薪。居心地の良いテンバ。蚊が多いのが玉の傷だが。

1時間以上かけてじっくり焼いた岩魚にかぶり付く。折しも今夜は中秋の名月である。月明かりで渓は明るい。月明かりがなければ頭上は満点の星なのだろうが、わずかな星明かりが見えるだけだ。木の間がくれに見えていた満月も夜もふけると、低い軌道ゆえ、山陰に消えてしまった。

開けて翌日。昨日の午後釣り上がった上を目指し、遡行する。昨日の釣りで場荒れしているから出は悪い。

 

 

 

 

 

昨日のポイントを超え、通らずに辿り着いたところで、3人とも格一匹づつ。夕方には東京に帰らなければならないと、午前9時には谷を後にした。


渓流三昧 釣キチ親子7年振釣行 9月10〜11日

2022-09-18 08:41:59 | 渓流釣り

   まずはお決まりの林道歩き。10日(土曜日)、午前10:30分。

 連日の釣りに悲鳴を上げ始めた75歳の体。でも岩魚三昧釣キチ。釣期はあとわずか。来年も元気でこの世に存在しているという確約はない。

父さん、岩魚を釣りたい」

と言い出した長男が、次男と明日早朝、上越にやってくる。この二人、釣りキチ親父に連れられ、誕生日を迎えるまもなく、白神だ、知床だ、四万十源流だと、親父に連れ回されまくったのだ。だから親父の影響を受け、結婚する前二人ともバイクだ、山だと、やっていたようだが、嫁をもらい、仕事も中堅となり、二人とも肥満気味だ。しかも最近の趣味はサボテンなのだという。リモートワークにサボテンなどという不健康な体に喝を入れるべく、老体に鞭打って待っていたが、さてどうか。10日の午前2時、東京から上越到着。

二人とも足尾松木沢の谷泊まり以来、7年ぶりに渓に立つ。長男は高二の時に南アルプスでヤマト岩魚を釣ってから魚の顔を見ていないし、次男は中二の時に43cmの岩魚を釣って以来であるから、渓魚を釣ればお互い18年ぶりなのである。

「お父さん、アレ!」と次男が指差す方を見れば、崖から落ち、親から逸れただろうカモシカの子が、堰堤下にうずくまっていた。顔に大きな傷が何か所かあり、その傷に銀蝿が卵を産みに纏わり付いていて、かなり憔悴している。子カモシカは私たちを見て鳴き始めたが、親が見捨てたとしたら、私達にはなす術は無い。水をかけ体に付着した銀蝿を追い払ってやったが、助かるとしたら親カモシカが見つけるしか方法はないだろう。

 「息子たちが小学生の頃、谷に横たわるカモシカの屍を見せたことがある。白骨化した頭部、腐敗した内臓、その光景と自然の厳しさを改めて思い起こしたに違いない」

自然の中で遊ぶということは、人間という生物の生き様を改めて俯瞰して見ることだと思っている。

良いテンバを見つけ整地しタープを張る。虫に滅法弱い長男には虫除けのシャツを着せ、テンバ周りには虫がよらないスプレーをしっかり撒いた。ハッカや防虫スプレーしっかり塗布した。(だが本命の長男はなんともなかったのだが、次男がチャドクガにやられ顔と首、肩が次の日の朝晴れてしまった)

18年ぶりの岩魚。ど、どこにと思うほど小さいが、思わず顔がほころぶ長男。大小は関係なくまずは一匹だ!

ちいちゃい、放流。

 私が最初に良型を二匹釣り、沢に沈めてキープ。竿を畳み、後は息子たちに任せることにした。今夜食べる3人分のうち2匹は確保したので、後一匹は息子たちに任せたのだった。息子たち30分交代で釣り上がる。どうやら賭けをしているようだ。

 

ヤマトイワナ(南アルプス源流にて)長男、高校2年(2005年)

 

  過去の遡行記 渓の記憶・大蛇尾川釣行記(1998年)  ←クリック

 

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魚達との出会いだけを求めてから→  長野県 ヤマト岩魚の渓  2010年8月20日〜22日

 

次男、プレッシャーが掛かる。

 次男にもきた。やったぜ!

これも放流サイズだが兄貴より大きいぞ、と顔が語っているが、なかなか良い型出ないな〜、でも次男も18年ぶり。今回の渓流釣は、長男に無理やり付き合わされたものの、仕切りに「釣は面白い」と、ご機嫌である。

大岩魚(43cm)栃木県内の沢で 次男、中学2年の時(2005年)

 

の後、長男が3匹追加し、4匹となる。次男はといえば時間帯が悪いのか毛鉤の打ち方が長男より下手なので、なかなか当たりがない。午後4時過ぎ次男に変わった途端、当たりが連続し4匹でタイとなったところで、テンバに戻る。次男が最後に釣った岩魚がキープサイズ、でこれで人数分3匹揃う。

2に続く


岩魚三昧 ヒスイの渓 9月8日

2022-09-17 08:45:04 | 渓流釣り

 白い岩は、きっとヒスイ岩だろう?

このポイントで当たりがきた。

 何度も足を運ぶも、あぶの大群にあったり、工事中だったり、土砂崩れだったりとなかなか竿を出せない谷、ヒスイ谷。

今にも降り出しそうな重い空に、ちょっと覗きに、と思って歩き出したものの結局2時間近く歩き、竿を出す。時間は午後の12時を回る。岩魚はお昼寝時間と想像するから、毛針を振っても反応はない。無い。過去に尺岩魚のポイントも沈黙を守る。堰堤を高巻き支流に入ると当たりがきた。

100m近い滝

 

ツリフネソウ 2色

湧水が美しい苔を育てる

生憎の曇り空。渓水の色は冴えない

谷暮れる。