上越・町家暮らし

主に新潟県・上越市の自然、文化、風土、そして町家暮らしについて書いていきます

「イワナの夏」 渓流釣りエッセイ 

2022-09-29 13:18:05 | 渓流釣り

イワナのもっとも堅固な隠れ家は、「昔」の中である。

で始まる「イワナの夏」は渓流釣りの名著だと、私は思っている。著者は元文芸春秋、文学界・編集長を務めた、現在文芸評論家の湯川豊氏(1938年生)である。

 

写真は「垂見健吾氏」田中一村の取材で我が家に来たことがある写真家である。ビーパル(BE-PAL)
などの雑誌で良くお見かけしておりました。

 

渓流釣りが終わるとなぜか寂しくなる。しかしこの遊び、必然性もないのに魚を一方的に虐待する遊びなのである。じゃ〜やめるべきだと思われるのだが、動物としての狩猟本能になぜか杭を打てないのである。

そんな不条理な思いを抱きながら道具を片付けていると、ふと書棚のエッセイ本が目に入った。湯川豊著「イワナの夏」(1987年)刊である。

 もし渓流釣りの本を読みたいと尋ねられたら、私は一番にこの本を勧めるだろう。なぜならこのスーパーエッセイに散りばめられたイワナや谷、そして自然の魅力に、釣り人が誘惑され不条理な行為に及んでいることが、理解できるような気がするからである。

 

友人のノンフィクション作家の小林照幸氏に文春に訪れた際、持参して、わざわざ湯川氏からサインをいただきました。

このエッセイ、現在文庫本にてあるようですので、興味のある方は秋の夜長、渓を想い読んでみてください。