上越・町家暮らし

主に新潟県・上越市の自然、文化、風土、そして町家暮らしについて書いていきます

雪が来るころ

2012-11-20 10:19:43 | インポート
 今年は春先から体調が悪く,瞽女街道の取材が思いのほか進まなかった.そこへ来て,上越の我家の火事騒ぎで,ずいぶんと時間をとられてしまい,動きがとれない年であった.しかも私が関与している画家,田中一村についての依頼が相次いだ.そういえば一村に一緒に会った親友,江田真治の10回忌である.そんな因縁もあってか,否か,年末にかけての慌ただしい日々は,能力のない私には一苦労なのであった.そんなわたしでも,カメラを持つようになり,拘っている被写体は,雷と,虹なのである.
 瞽女達は11月~12月,東頸城,から牧へと足を運ぶという.11月のはじめ,2日ほど時間ができたので,私の一番好きな牧峠をぬけ,飯山に下った.

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 もうこんな見事なブナの紅葉はとっくに終わり,ふかふかの落ち葉に牧の集落は覆われ,今頃は冬期通行止めとなった牧峠のブナ達が,冬支度を始めたことだろう.



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夏は雷の来襲が日常茶飯事な栃木では,雷のことをらいさまと親しみを込めて呼ぶ.らいさまが雪を運んでくるんだよ,と新潟に5年ほど住んで,冬の重い雲がいやになり,栃木に帰った母親は,良く話したが,まさに不安な気圧配置は雷やそして注意深く空を眺めていると,虹に会うことができる.




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 虹こそ見えなかっただろうが,雪を運ぶイカズチ音におののき,大粒の雨にうたれながら,山麓の道を瞽女達は今宵の宿に向かって足を早めたのだろう.


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   目の前6,70mほどの距離に落ちたかみなり.この時の撮影は,体に電気が走った